Switch用音楽ゲーム「ショパンの復活 音楽を救え!」をプレイ。
現代に蘇ったフレデリック・ショパンが、ポップスター等と戦って音楽の自由を取り戻す音ゲー。
設定があまりに奇妙な作品なので、ずっと気になっていました。いつもは興味を惹くマイナーゲームは取り敢えず買う方針ですが、音ゲーはテンポ感などが自分と合わないとプレイが難しいジャンルです。ショップの画像を見る限り、ノーツが分かりにくそうで、少し悩んでいました。
そうこうする内に、先日シリーズ3作目が発売されました。それだけ続編が出るということは、一定の面白さがあるということかーーと判断し、ついに購入してみました。
エンディングまで1時間程度。
ストーリーは、想像していた通り、奇妙な内容です。日本での対戦相手が「オタク」だったり、何度も音楽の決闘に巻き込まれるうちに、だんだんショパンが好戦的になっていくのが面白かったです。
終盤、「音楽の力」に関するいい話に持っていくのかな?と思いきや、イマイチ締まらない感じだったのも、予想外で逆に好感でした。
肝心の音ゲー部分に関しては、画面奥から手前に落ちてくる音符に合わせて該当の鍵盤を押すという部分が、予想よりずっと良かったです。
タッチ操作に対応しているため、ピアノを弾いているような感覚で遊べます。こういう本物の楽器を弾く操作感で遊べる音ゲーというのは、もっと出ていいですよね。本作の場合、実際の鍵盤の音と一致していないことが気になるプレイヤーはいるかもしれませんが、私はあくまで玩具のピアノみたいなものと思えば違和感はなかったです。
文句があるのは、鍵盤を押した時に音が出力されない点ですね(ミスした時のみエラー音が鳴る仕様)。リズムゲームの音楽は、自分の操作音が入ることで曲として完成すると考えているので、非常に物足りなく感じました。
音符の量自体はさほど多くないので、基本的には簡単なゲームだと思います。難易度を高くしても、一発クリアできる程度でした。
後半の楽曲を最高難易度で遊んだら違う印象になるかもしれませんが、少なくとも序盤は、難易度によるノーツの差異がわからないくらい簡単でした。
音符がたくさん降ってくる箇所は、テンポがわかりにくくて苦労しましたけれど、すべてショパンの曲のアレンジなので、原曲が分かっていればなんとなく予想して対応できます。
むしろ、「スペシャル」やコンボを決めた時に表示される「エクセレント」等の文字演出が凄く邪魔で、順調にプレイしている時の方が難易度上昇する感じです(笑)。
前述通り、すべてショパン曲のアレンジというのが本作のウリでもあって、名曲揃いだと改めて感じましたし、予想外のアレンジにも色々驚かされました。
ちゃんと原曲名を出してくれるのも、聴き比べしやすくて良いところ。
ストーリーモードでは下記の楽曲が聞けました。
- プレリュード 作品28第4番 ホ短調
- ポロネーズ 作品40第1番 イ長調
- ソナタ 第2番 変ロ短調
- ポロネーズ 作品53 変イ長調 と ノクターン 作品55第1番 へ短調
- ワルツ 第19番 イ短調
- エチュード 作品10第3番 ホ長調
- ノクターン 第20番 嬰ハ短調
- ノクターン 作品9第2番 変ホ長調
- エチュード 作品25第9番 変ト長調
- 歌曲 作品74第16番 ヘ長調
- エチュード 作品10第12番 ハ短調
一番度肝を抜かれたのはインド風「別れの曲」です。逆に「革命のエチュード」がストリングスとドラムでラスボス戦に相応しいアレンジされているのは、予想通りでしたが、見事に嵌っていました。
そんなわけで、音ゲーとしては少し稚拙ですが、ショパンとショパン曲に対する愛が感じられる良い作品でした。
バカゲーっぽく感じたストーリーも、音楽史に詳しければ違う見方ができたのかも知れません。例えば、ショパンの音楽に「ハート」がない、とミューズたちが指摘したのが疑問だったのですが、これはパリの遺体に心臓がなく、ワルシャワに保管されているという物理的なことだったのですね!
ラスボス戦前にショパンが訪れたこの場所こそ、その心臓が保管されている聖十字架教会だったのか、と調べて納得しました。