池袋HUMAXシネマズにて、「望海風斗ラストデイ」ライブ中継に参加。
これは、宝塚雪組「fff-フォルティッシッシモ- ~歓喜に歌え!~」「シルクロード~盗賊と宝石~」東京宝塚劇場千秋楽、およびサヨナラショーを生中継したライブビューイングです。
序盤はカメラワークに問題があり、演者がいないところを映すことが数回ありましたが、芝居の中盤以降は問題なくなったので安心しました。
音響は会場の問題かもしれませんが、突然音が大きくなったり小さくなったり、一瞬モノラルになったり、ショーでも安定しない感じが残って、最後までハラハラしました。
fff -フォルティッシッシモ- ~歓喜に歌え!~
上田久美子先生の新作でベートーベン物、ということしか把握していない状態で観劇しました。
政治、歴史、精神世界とテンコ盛りでしたが、初見でもちゃんと理解できるスッキリした作りでした。宝塚ファンも、フランス革命前後の歴史は精通しているから、ロシア革命(神々の土地)とか享保の改革(星逢一夜)よりウケは良かったのでないでしょうか。
暗く辛い話ですが、音楽の力を表現できるトップコンビだからこそ映える、ラストの歓喜の歌が全てを浄化していたように思います。
案外笑わせるシーンもあって、それまで怖い存在だった真彩が、ベートーベンから家政婦代わりにされたときの反応が面白いし可愛いことにニヤニヤしました。
コロナ禍で録音だからこそ、オケボックスに演者を詰め込んだ演出ができたことも、上田先生の転んでもただで起きない強かなところを感じました。
強いて文句を言うなら、過去回想の子役シーンが意外と長かったので、青年期は望海が演じてもよかったのでないでしょうか。
シルクロード~盗賊と宝石~
アラビアンショー。
個人的には、前半は緩急がなくてずっとフルスロットルな印象で、正直うるさいショーだと感じました。人海戦術は宝塚の華だけれど、(2チーム制で人数を減らして上演しているのに、人口密度の高い舞台)。
中国の場面が「バンドネオン上海」のリメイクみたいな内容でしたね。真彩の変幻自在な歌に感嘆すると共に、生田先生から望海への愛の重さにドン引きしました(笑)。
前半のわちゃわちゃ感に比べると、後半は典型的な宝塚ショーの作りで、ある意味安心して観ていられました。王道はマンネリにも通じるけれど、宝塚が100年超えても人気なのは、結局テンプレートがよくできてるためだと思います。
黒燕尾群舞は、トップ引き継ぎ演出もあり、ベタですが千秋楽に見るとやはり組内引き継ぎの象徴として嬉しいものだと思いました。
望海風斗サヨナラショー
花組下級生時代、「銀ちゃんの恋」チームだった頃から愛着を持って見てきたけれど、トップスターになってからは、人気過ぎてチケットが取れず、あまり観劇できていません。そのため、知っている楽曲は半分くらいで、逆に普通のショーを見る感覚でした。
なお、一発目が「ドン・ジュアン」で、芝居歌のシーンをそのまま芝居付きで再現するのは珍しいと思いましたが、見応えがありました。
退団者挨拶は、全員非常に爽やかで明晰。
ラスト歌唱は「FOREVER TAKARAZUKA(この愛よ永遠に)」。奇しくも前任・早霧せいなと一緒。恐らく個人マイクは切ってあるのに、望海の力強い「FOREVER」の歌声が聞こえて、その宝塚愛にグッときました。ショーの新調衣装も、これでもかと言うくらい雪組愛を主張した衣装でしたね。
出待ちが禁止されているためか、代わりにカーテンコールに応えて会場内で挨拶する時間が、通常に比べて長かったように思います。13時半から開始して、送り出しの音楽が流れたのが18時50分くらいでしたので、制限時間いっぱいまでファンに応えてくれたなと思います。
「生まれ変わっても、また宝塚で会いましょう」
は新しいサヨナラの定番セリフになっちゃうかも知れませんね。 私としては「嘘を本当にしたかった」と言う舞台への気持ちも、聞けて良かった言葉でした。
最後の方は、多幸感でフワフワしたトップコンビがお互いに愛を告白する感じになっていて、本当に優しい、愛に溢れたラストデイでした。