本日発売のSwitchネオロマンスゲーム「アンジェリーク ルミナライズ」(通称アンミナ)体験版を遊びました。
体験版では、27日目(試験結果1回目発表日)までをプレイできました。
結構充実のボリュームです。製品版にデータ引継ぎ可能。というか、ご覧の通りタイトルに「体験版」の表記もないし、容量がかなり大きかったので、プログラム自体は製品版流用でロックをかけているだけ?と感じました。
私がシリーズで遊んだことがあるのは「アンジェリークSpecial」「ふしぎの国のアンジェリーク」の2作。「デュエット」も遊んだかもしれません。
自分ではあまり遊んでいませんが、「2」「天空の鎮魂歌」「トロワ」「ルトゥール」と、リモージュ&コレット世代を熱心に追いかけていたアンジェリークファンの友人がいて、ゲーム画面を見せてもらったりしていたので、その頃の作品には馴染みがあります。
そんなわけで、私にとっての「アンジェリーク」は、由羅カイリ先生が描かれていた華麗なる神鳥の宇宙のイメージが強いです。
そして、どちらかというと、恋愛ゲームというより女王試験を勝ち抜くシミュレーションゲームであって、恋愛が成就しないエンディングがベストエンド相応なのが、アンジェリークの特徴だとも思っています。
前述の友人も、守護聖様(+教官)全員をふってから女王になるのが最良プレイだと力説していました(笑)。
それに対し、本作は主人公はまさかのOLで、守護聖様にも現役高校生がいるし、オープニングを見ても守護聖様たちとの恋愛イベントっぽいシーンの抜き出しばかりに見えます。聖地に召集される前の守護聖様の呟き、というTwitterの仕掛けをしているのも、ちょっと現代的過ぎて戸惑いました。
それなので、シリーズの名で出して、往年のファンをがっかりさせるのでないかーーという不安が、正直ありました。
しかし配信された体験版は、予想よりずっと初代「アンジェリーク」を彷彿とさせるゲームになっていました。
見た目がアドベンチャーゲームになったのに、実際の中身はシミュレーションゲームのままなので、遊びにくいと感じるくらいです。
ちょっと今風すぎると思っていた守護聖様たちは、確かに初代に比べると、一癖二癖ありそうなキャラクターが多く現代的だと思うけれど、好感度が低い時の神鳥の守護聖様たちよりまともに受け答えしてくれる印象。
問題の高校生守護聖様カナタも、何日も恨み言を引き摺る感じでなく、むしろこんな高校生男子いるか?と突っ込みたくなる素直ないい子でした。
体験版の範囲では、守護聖様たちより、執事サイラスくんの方がインパクト強いです。
毎日顔を合わせるし、イベントも出張るので、一人だけ異様にキャラが濃いサイラスを好きになれるかどうかで評価が割れそうな気がします。
個人的に、仕事に誇りを持っていない系のOL主人公には共感できないので、浮世離れしたスモルニィの学生のままで良かったと思いますが、プレイヤーの年齢層に配慮した結果でしょう。
ライバルであるレイラの方が共感できるし可愛く感じる、というのはアンジェリークあるあるですね。
しかしレイラの最初の行動が、「エリューシオンから力を奪う(妨害)」で、できたばかりの建物が宇宙のチリと化したのは、本当に容赦無くて笑いました。
ゲームとしては割と難易度高めです。
難易度設定ができるので構わないけれど、初代経験者の癖に「普通」で最初の試験に勝てませんでした。
女王試験の内容は、大陸を発展させるという、伝統的な試験内容そのまま。
初代だと妨害専念が強かった記憶があるのですが、さすがにその戦法では勝てない感じでした。
公園デートと言いながら口頭試験かな?みたいな、やりとりも残っていました。
占いは自分で勝手にできるように変わりましたが、嬉し恥ずかしいラブラブフラッシュには、「これもそのままなのか」と笑いました。
そこにエナジードリンクを使った体力の前借りだとか、特定の守護聖様の送ってくれる力が強くなる日があるお得カレンダーなど、新しい戦略性が追加されています。
気になったのは、ミニキャラクターを動かす要素がなくなり、アドベンチャーゲームの移動方式を採用している点です。
例えば体力を使い切った状態で、守護聖様が王立研究所に現れたからと挨拶に行くと、毎回お出迎えキャラであるタイラーから「体力がない時は休め」と言われるので、早送りできるとは言え、イライラしました。元からのシステムと、新しいゲーム様式が合っていないと感じました。以前のスタイルなら、タイラーに用がなければ、守護聖様だけに挨拶して帰れたのですが。
冒頭のコミックムービーや集中線の使用など、演出は全体的に漫画チックで、これがアンジェリークの夢々しい世界と合っているか?という意見は割れそうな気もします。
そのほかのオート、早送り、キャラクター別の音声オン/オフ設定など、最新の乙女ゲームとしての機能は十分。
面白い点として、イベント会話の受け答えでは基本的に好感度が下がらないようで、恋愛要素のあるゲームで相手の好みを慮って返答をする必要がないというのは、新しい要素ですし、とてもいいと思います。
ゲームの基幹部分は初代踏襲で「アンジェリーク」らしさはそのままに、女王や補佐官不在の謎やサイラスの存在など物語に広がりを持たせていて、再びシリーズを盛り上げようというルビーパーティーの意欲を感じました。少なくとも私は、初代リメイクのルトゥールよりも好感が持てました、
積みゲーが大量にある現在、すぐプレイする気はありませんが、体験版を経て、いずれ遊ぼうかなと思えるタイトルに昇格しました。