Switch版「Voice of Cardsドラゴンの島 Demo」をプレイ。
プレイヤーに話し掛けるゲームマスター役がいて、ダイスロールがあって、ダンジョンマップ等がカードで表現されているRPGーーという要素で並べると「Hand of Fate」との共通性に驚きます。
しかし、本作のカード要素は見た目だけで、デッキ構築などのカードゲーム要素はまったくありません。テーブルボードゲーム風に演出した純正コマンドRPG、というのが実際の内容でした。
シナリオは体験版用に用意された内容らしく、主人公たちも製品版とは別人。
白の教団の3人が、盗まれた王家の宝宝を取り戻す、簡単な冒険譚になっています。
HP等の数値が低めで、敵味方ともに攻撃力と防御が丸見えなので、シビアな駆け引きをするゲームなのかなと思いましたが、体験版の範囲では難易度が低く、戦略性は感じませんでした。
これは、レベルアップが早いお陰かもしれません。レベルアップ時にHPが全快する仕様なので、回復を使う機会がありませんでした。
フィールドのランダムイベントで特殊な敵が出現したときは、防御力が50もあったので、ダメージが通らないから全滅するかも、と思いました。
しかし実際は、敵の防御力を越えられなくても1ダメージは必ず与えられるらしく、ターンが掛かるだけの戦闘で拍子抜けしました。
術技を使うために必要なジェムは、パーティ共有で、ターン経過や特定のスキルで増えていく仕様。「サガ スカーレットグレイス」のBPに似ていますが、貯まるのが早いし、ジェムを一切使わない攻撃でも十分強いので、一人に集中して大技を使うか、全員が弱い攻撃をするか、等と悩むこともまったくありませんでした。
製品版なら、もっとシビアな戦いが待ち受けているのかもしれませんが、少なくともこと体験版では、◯ボタン連打でもクリアできそうなコマンドRPGだと思ってしまいました。
街やフィールドをカードで表現している点は、お洒落な小品っぽさがあって個人的には好きです。
ただ「Hand of Fate」なら、1マスごとに期待と緊張感をもってカードをめくったのに対し、本作はなんでもない道が続くだけで、ここも敢えてカードを採用する意味を感じませんでした。
キャラクターグラフィックも好きな部類。
道具屋さんは、モブでは勿体ないくらい可愛いなと思いました。
あとは、GMが戦闘開始時に一声かけてくるなどの演出もありましたが、言うことは「頑張って」程度なので、面白くもないです。これなら「Knights of Pen and Paper」の方が、小粋なジョーク混じりで良かったです。GMとプレイヤーの距離感としても、応援されるのはちょっと違う気がしました。
全体的なテンポも悪く、ゲーム本編はいまひとつピンとこなかったのですが、ゲーム内で遊べるカードゲームは面白かったです!
本編中は遊戯場で遊ぶ形ですが、体験版クリア後はタイトル画面から直接カードゲームだけ遊べるようになっているのも嬉しかったです。これで動作も軽ければ文句ありませんでした。
ざっくり説明すると、基本ルールは下記の通りです。
- 毎ターン、カードが2枚配られる。
- カードの同じ数字2〜3枚、または連続した3つの数字で1セットを作れる。
- セット内の数字の合計が、そのまま得点になる。
- 手持ちには最大3セットまで置くことができる。4つ目を作ったらどれかを捨てる。
- 共有置場にあるカードは誰でも使える。
- 手持ちと共有置場のカードの組み合わせでセットが作れないときは、手札に1枚を残し、残りは共有置場に出す。
- 配布するカードがなくなった時点で終了。
これに拡張ルールとして、カードにスキル効果が付いたり、イベントカードを引けるようになったりできます。
スキルで、他のプレイヤーの手札を強制的に共有置場に出させて、そのカードを使って高得点セットを組む、なんてことが出来ると快感です。まぁ、実際はNPCが強過ぎて、こちらがそういうコンボを喰らう方なんですが(苦笑)。
製品版ではさらに追加ルールが用意されているらしく、まだ拡張性があるのかと驚かされます。
さすがに、このミニゲームのためだけに製品版を買うほどの価値は見出してませんけれど、他プレイヤーと対戦する機会があれば遊んでみたいなと思うくらいには楽しめました。