本編クリア

Tales of ARISE

ネタバレを含みます。現在プレイ中の方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

レネギスの禁領をしばらく進んで行った先で、遂にゲーム実況ポリシーにおける実況禁止区域に入ることを示す例のセリフ(それと向き合う覚悟。今の俺は……)がありました。

Tales of ARISE

それで、ここから先は内容に触れない方がいいと考え、本編クリアまで進めてから感想をまとめることに決めたのですが、新たに解放されたサブイベントだとか、ラストダンジョン攻略に手間取ったので、結局記事の間が少し空いてしまいました。
なお、スクリーンショットの撮影禁止区間自体はなかったので、ストーリーが直接わかるようなネタバレは避けつつ、多少掲載させていただきます。

禁領のイベントを終えても謎が解消されないので、本当にどうするんだろうと思っていたら、その直後、怒涛の説明、怒涛のスキットで畳み掛けられました。会話、移動、会話を繰り返す力技で、いっそ清々しかったです。

Tales of ARISE

脅迫に対して、脅迫で返すようなアルフェンも好きでした。でもこれ、アルフェンが物語の主人公で、最終的に全部救うから許される所業ですよね。

実際のところ、世界の真相を知ったり、決断を委ねられるのがアルフェンたち6人に限られていて、他に共有しないことが気になりました。最後の展開なんて、アルフェンとシオン、おまけのヴォルラーンだけで全部進みましたしね。

Tales of ARISE

そのせいで、ヴォルラーンの指摘も強ち的外れでないというか、アルフェンたちが自分たちの望む通りに押し通したと感じる面もあります。最たるものは、ラスボス戦後のダナ全土から星霊力をもらうシーン。実にJRPGらしいよく見た展開ですが、王と巫女の力を使って、勝手に人の星霊力を抜いたようにも受け取れました。例えば「FF4」や「大神」がそうだったように、今までの旅で知り合った人々が、最終決戦のことを知って祈りを送ってくれていたーーなんて描写にしなかったのは何故なんでしょう。
印象的なサブキャラがたくさんいたのに、蚊帳の外で終わったのは、もったいないなかったのでは。

Tales of ARISE

ダナの人間も、気付いたらレナと一体化していたとか、びっくり仰天だし今後大混乱でしょう。まあ、レナ側はトップが言うことに従う社会だし、ダナ各地で機能している組織は全てアルフェンの息がかかっているので、誰も文句は言わないかもしれませんが……。

今まさにクリア直後ということもあり、一番気を取られたところから書き出してしまいました。しかしテイルズオブのストーリーは、物語自体の良し悪しより、いかにキャラクターを魅力的に描いていたかが重要だと思っています。勢いに乗って燃え上がっていれば、粗なんて気にならないですから。
そういう視点で本作を考えるとーーやっぱり、ダナ全土解放後から失速した感は否めません。説明ばかり言わされていた感があって、印象に残った台詞は数えるほどです。

Tales of ARISE

テュオハリムとリンウェルは旅を始める前後で大きく成長したけれど、ロウは、不安を口にして空気を悪くするという展開を終盤になってから繰り返すので、メイン筋だとまるで成長していないみたいに見えました。サブクエストだといい奴なのに悔しいです。6人しかいないのだから、全員を素敵に描いて欲しかったです。
演出面においても、後半は棒立ち会話が多かった気がします。

誤解がないように書いておくと、仲間キャラクターは皆、魅力的でした。
シオンに腹ぺこキャラという属性をつけることを提案した人は、大金星だと思います。

世界観は、割といつものテイルズオブと変わらなかったと思っています。ゲーム開始当初こそダークな雰囲気だったけれど、普通にテイルズオブらしくて拍子抜けしたような、安心したような複雑な気分でした。
それに、王や茨など世界規模のことは全部説明を付けていたけれど、もっと身近な、ダナの支配や生活レベルといった点はかなり曖昧なまま終わりました。

Tales of ARISE

ダナ人は300年もの間、奴隷として固有の文化を奪われているはずなのに、結局誰でも読み書きできていたり、300年前の資料が残っていたり、食べ物の好き嫌いしたりで、私はズッコケましたよ。一部のエリアで聞ける話と、実際の言動があっていないので、世界観設定の担当とサブイベントの担当で考えに齟齬があったのだろうか、と考えてしまいます。

アライズで、過去作との変化として印象に残ったのは、テキスト(台詞回し)です。
主人公が大人で、パーティも半数が成人なせいか、全体的に硬質。過去作はジュブナイル感があったのに比べると、ハイファンタジー風に感じました。チャットでふざけていても、割と格調が高く感じるくらいです。
むしろチャットで面白かったと思ったのは、パンケーキイベントくらいかも?

Tales of ARISE

あとは、死者に対して償うことはできない(だから生者のために生きるべき)という話が出てきたときに、ちょっと嬉しくなりました。FF12が大好きな人間なので、同じテーマで語ってくれる作品に出会うと、ニコニコしてしまう私です。

Tales of ARISE

それで改めて考えると、テイルズオブシリーズは、死んだ人間が生きている者に直接想いを託す展開が意外と少ないと思いました。直ぐ思い出せる範囲で、死者からの声をキャラクターが明確に受け取っているのは、ファンタジアくらいでした。シンフォニアのエクスフィアに宿った意識は、あれは心だけで生きていると表現されていたと記憶しています。

本作で一番楽しかったのは探索というか、新しいエリアに進んでいくときだったかもしれません。

Tales of ARISE

アニメ寄り絵画調とでも言うべき独特のグラフィックで描かれる世界は綺麗でしたし、火山、雪、荘厳な水の都、草原に荒野と、きちんと世界を巡っている感もありました。

逆に私が一番不満だったのは、なんと戦闘なんですね……。
小型の雑魚戦は、コンボを畳み掛けてブーストストライクを決めたり、ブーストアタックでダウンを奪うなどやることが色々あって楽しく戦えましたが、終盤に多い大型ズーグルやボス戦は正直退屈でした。

Tales of ARISE

硬い上に仰け反らないから、ブーストストライクも出せず、ヒットアンドアウェイで叩くばかりです。
特に突進してくるタイプが鬼門で、キサラのブーストアタックを当てる準備をしていても、OL状態(ダウン無効)の時に限って突進してくることが多く、嫌いでした。ブーストアタックといえば、使う局面が決まっているせいで、有用度に差があるのも悲しかったです。レネギスを越えた後は、殻や盾持ちの敵が全然出てこなかったので、ロウは永遠に拳を温め続けていました……。

レベル上げをするとか、それこそDLCを買って楽するとかしろと言われればその通りですが、もう少し遊びやすくして欲しかったです。
他にも、魔法を使ったのが敵か味方かエフェクトで判断できないから、無駄に回避しちゃったとか、秘奥義が演出に反して貧弱すぎるとか、仲間AIが賢くない(テュオハリムが敵の術に突っ込んでいくのを目撃してしまった)とか、細かい不満がチョコチョコありました。

そういえば最後のセーブ以降の戦闘が、ほぼギミック戦だったのも拍子抜けでした。そのせいもあって、直前の6つの封印の大型ズーグルの方がよほど強敵でした。

Tales of ARISE

そして、ラスボス戦闘中イベント後は、術技が勝手にフラムエッジで割り振られて更に驚きました。無敵状態とはいえ、思う通りに操作できなくて苛々しました。死なないだけで、状態異常は普通に喰らうので、回避をミスって氷漬けにされたまま会話してた時は笑いました。

そんなこんなでしたが、長いプレイの果てがハッピーエンドで良かったです。
2人には、末長く幸せに暮らして欲しいです。間違っても、英雄殺しの男が過去から蘇ってアルフェンを殺したり、2人の息子が英雄になる冒険を始めたり、速水奨ボイスの鉄仮面が現れたりする続編は不要です。ーーいや、ジューダスポジションの鉄仮面ヴォルラーンは、面白いかもしれないですが。

コメント

  • コメントはまだありません。

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メール
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー
(スパム対策に 投稿キー を半角で入力してください)