アイドルマスター SideM GROWING STARS(サイスタ)没SS集
時期を逸しただとか、事実関係がわからないとか、解釈違いだとかで、今年思い付いたけれど形にならなかった小品をまとめて供養します。
ほぼ鋭心先輩。
本当の書きかけなので、台詞だけの箇所もあります。
鋭心が二世だと知らなかったC.FIRST編
「そう言えば鋭心先輩って、芸能用語に詳しいですよね」
意外でした、と言う声音が本当にそう思っているようだったので、鋭心は一瞬戸惑った。
「そうそう」
その隙に、反対側で黄色い頭も頷く。
「僕たちなんか、センザイをトリに行くって言われて、なんで洗濯?って思ったもんねぇ」
「いや、それはないですけど」
秀は鋭心について調べたとき、親を「有名人」とは把握していたけれど、芸能一家だと知っていたのでしょうか。知っていてスカウトしたのか否かで、鋭心先輩の心証が変わりそうです。
その辺の話に繋げる導入として書き出したのですが、そこまで続かなかったので、特に面白くもないボケとツッコミだけが残りました。
正しい人
「懐かれてるね」
少し揶揄う色を乗せた言葉で小突くと、鋭心はどこか不思議そうに呟いた。
「俺はとっつきにくい先輩らしいんだがな」
確かに初対面の眉見鋭心は、こんなに話しやすい男だと思わなかった。あの日、有名生徒会長と評された3人が初めて渋谷で顔を合わせた日、百々人が鋭心から受けた印象は、ある程度仲良くなったいまでも、正直に教えることが憚られるほど悪かった。
「それはたぶん、生徒会長のマユミくんはいつも正しい人だからかなぁ」
規律正しいことは、窮屈さも感じさせるものだ。
「ーーアイドルの俺は、正しくないのか?」
「眉見鋭心は正論の人だ」というイメージがまずあり、そこに切り込もうとしたもの。
鋭心は後輩二人にとても甘いけれど、秀や百々人みたいに物怖じせず対等に接してくる後輩がいなかったから、嬉しくて余計に先輩風吹かしてるのかもと思っています(友達がいない疑惑も残っていますし)。その可愛い後輩に「アイドルをやってるマユミくんは正しくない」と言われたと思ったら、顔には出さなくても大変なショックなのでは、と思ったら、続きが考えられませんでした。
趣味・映画鑑賞
本当にひどいクソ映画でーーと語っていた秀を、静かな声が遮った。
「その映画の監督は俺の知人だ」
ずっと聞き手に徹していた百々人ですら、うわっと声に出しかけて、なんとか飲み込んだ。天才の分析力で駄作たる理由を挙げていた秀は、完全に固まっていた。
「どこに関係者がいるかわからないからな。秀の意見を否定する気はないが、俺たちは駆け出しなのだし、少なくとも外では、批評家めいたことを言わない方がいいだろう」
「ーーはい。すみません」
「まぁ、それはそれとして、あれは俺もクソ映画だと思ったし、あんまりムカついたから監督にも言ったぞ」
「……えっ?」
ギャグ寄り。
鋭心先輩がB級映画愛好家だったら楽しいけれど、仮にそうでも、親のイメージに影響してしまうから口を噤むだろうなと思います。
さらに最近の解釈改めで、映画鑑賞という趣味も「俳優一家の息子として相応しい趣味」として意図的に趣味としたものだったらどうしよう、という疑いの目を向けたのですが、さすがに考えすぎですね。
他のユニットと絡んで欲しい気持ちの暴走
扉を開けた瞬間、テレビで一方的に見知った芸能人とばったり対面すると、人間はどういう反応をするのか。
「あ、ジュピター」
天峰秀の場合は、なぜかユニット名を口にしていた。もちろん個人名は知っている。しかし、そちらの名前はまったく口から出てこなかった。ーー天才にも予期できないことはある。
「ーーおう。ジュピターの天ヶ瀬冬馬だぜ」
「秀。先輩だぞ」
後ろから鋭心が秀の頭に触れて、頭を下げさせた。
「失礼しました。冬馬さん。先月から315プロに所属した天峰と眉見です」
「あ、ああプロデューサーから聞いてる。っつか、鋭心さんの方が俺より先輩……っすよね。別にタメ口でイイっすよ」
「いえ。アイドルとしては冬馬さんの方が先輩ですから」
年下だけれど芸歴の長いJUPITERやもふもふえんと話す鋭心先輩を知りたいと思いつつ、予想で書いたもの。敬語だろうと思うのですが、答え合わせがしたいです。
あと、JUPITERないしもふもふえんが、眉見征一郎氏と共演経験ありの可能性も考えたいです。
ドラスタ何番煎じ?の話
「ドラマチックスターズ不仲説?」
「ネットでは結構言われてますよ」
「輝さんが、翼さんのことは名前で呼ぶのに、薫さんは苗字で呼ぶからってのが根拠みたいですね」
「へー。あんま意識してたわけじゃないけど、ファンはそういうところが気になるんだな。勉強になるぜ」
「ーーなんだ、天道、君は不仲でないと思っていたのか?」
天峰秀はエゴサするタイプだろうなと思ったら、スルスルとドラスタに絡み始めたもの。
C.FIRSTの誰かと他ユニット、みたいなシリーズができたらいいですね。実際に挑戦した場合、最難関はTHE虎牙道編になると思います。