Switch版アドベンチャーゲーム「Card Shark Demo」(体験版)をプレイ。
体験版なのに、予想外に長く遊べました。
実は、体験版で遊べる範囲の最後まで行き着いていません。エラー落ちしたところで、取り敢えず辞めました。
まず、詐欺師仲間の一人としてゲームに参加してイカサマを駆使するという、非常にユニークな着眼点が秀逸です。
イカサマの具体的なテクニックをたくさん伝授してもらえるので、カードトリックに興味のある人は、ゲームだけでなく現実のカードでも練習してみたら面白そうです。
さらに、絵画のようなグラフィックは舞台である18世紀フランスを描くのに相応しく、怪しさと美しさを加味しています。
革命前の社会の闇を描くようなストーリーも、歴史物好きの心をくすぐります。主人公を詐欺に誘う仲間はサンジェルマン伯爵ですし、ヴォルテールなど、なかなかの名士が登場します。
作り手が作りたいものと、プレイヤーがトレイラー等の情報から期待する内容が噛み合った、良いゲームだと思いました。
ただ、雰囲気や発想は好きな反面、製品版を購入して実際に遊びたいかと問われると、私には合わないとも思いました。
最大の理由は、無茶苦茶に神経を使うということです。
プレイヤーは勝負の内容には関与せず、ただ必要な箇所で指定されたトリックを正確かつ素早く行うだけなので、シンプルなゲームと言えるのですが、実際にプレイすると非常に複雑に感じます。
トリックの種類だけ操作方法があったり、ゲームによって仲間にスートを示すサインがあったり、とにかく覚えることが多く、頭を使う必要がありました。
製品版では、28種類ものトリックがあるようなので、どれだけイカサマが盛んなんだと絶句しました。
そして、ゲーム中は画面のあちらこちらに気を配る必要があります。
例えば、最初はワインを注ぐ操作をしている間にカードを盗み見る、というトリックから始まるのですが、盗み見ようとすることに注意を払い過ぎると、ワインを注ぎ過ぎて溢してしまったり、逆に慎重にやりすぎて不足してしまいます。
その上、操作中は対戦相手の疑惑ゲージが上がり、もたもたしているとイカサマを見破られてしまうので、時間に追われる感覚もありました。
一発のミスが大きく、操作を一度でもミスると損失が大きくて取り返せません。無一文になったり投獄されても、即ゲームオーバーではなかったり、いざとなれば難易度設定やヒント表示機能があるので、勝って話を進めることはできるのですが、なかなかの心理的負担でした。
純粋に、人を騙すことが辛くもなります。
テーマがテーマだけに、自分が騙すだけでなく、騙されてもいる気がして、相手の言葉を信用していいのか疑心暗鬼に陥って憂鬱になります。
可愛いのはダランベール氏くらいですよ。
さすが、ゲーム起動時に「反道徳的、自殺、死、暴力、ギャンブルに関する言葉および描写が含まれるため、小さなお子様には推奨されません」と表示されるだけのことはありました。