第七回彩編

GROWING STARS

色とりどりの彩り

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彩の第一印象は、怒られること覚悟で率直に言うと「イロモノユニット」でした。
なんせ和風ユニットと言っても、一見して「和」らしいのは九郎だけで、キリオはピンク髪に謎のネコキャラ、翔真は金髪でオネエ言葉が混ざっている、と強烈なインパクトにまず目が止まったためです。
前職が日本の芸能関連というだけで、まとまりのない3人だと思っていました。

しかし、サイスタで彩の3人と触れるうちに、少しずつ印象が変わりました。
最初の切っ掛けは、エピソードゼロ1話。

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3人は、事務所に入ってユニットを組むまで一切接点がなかったパターンかと思いきや、キリオが歌舞伎を観て、翔真が散策番組で清澄家に通り掛かり、九郎が同世代の二枚目の話を聞き、それぞれが互いに認知しない形で軽く意識する繋がりがあったのです。
そのことから、単に「和」という接点だけで組んだ3人でなく、なんらかの関係性を描こうとして立ち位置を設定された3人らしいと気付きました。

次が、イベントストーリー「いとをかし!~一彩×合彩~」。

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前半部では、生真面目な九郎を、お巫山戯が上手な二人が揶揄しているように見えたけれど、それだけれはないのですね。人付き合いが下手なキリオと九郎の友情を翔真が見守っていたり、二人の察しが悪いからこそ、翔真も自分の苦悩や傷を少し垣間見せて楽になれる面があることに、面白いバランスで成り立っている3人だと思いました。

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例えるならば、Jupiterは冬馬を頂点として固定された二等辺三角形、Dramatic Starsは正三角形と言う感じなのに対し、彩はその時々で辺の長さが変わるけれど、形は崩さない三角形なユニットなのかもしれません。

そしてトドメが、同名曲の3DMVでした。

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3人が歌い踊る姿に、「彩ってこういうユニットだったのか!」と、全力で殴り付けられた気がしました。
思えば、ライブ配信でも3人が揃った状態を見たことがないせいか、こんなパワフルなユニットだとは気付きませんでした。
キリオが全身のバネを使って派手に動くのや、翔真が大きな動作で見栄を切って惹きつけるのは、人となりを考えれば想像できたことですが、四角四面でお堅いと思っていた九郎が、そのアピールにしれっと加わってイキイキとライブパフォーマンスを披露していることに驚きました。

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彩は間違いなくこの3人だからこその和風ユニットであり、でもそれは侘び寂びの世界ではなく、万華鏡のような目眩く世界なんだ、と納得しました。

でも、イロモノという側面が皆無なわけでもないですよね。
なんせ彩はアイドルをやっている理由も変で、キリオは「アイドルがテーマの新作落語を作りたいから」、九郎は「茶道人口を増やしたいから」。アイドル業を本業にする気が全くない2人に笑えます。

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メインストーリー8話の歌番組、彩が出演しなくて良かったですね(苦笑)。

猫柳キリオのびっくり箱

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キリオは、315プロトップクラスの超個性的な歌唱力の持ち主。
どのパートを歌っても、キリオの声はすぐ分かるのが面白いです。絶対埋もれないぞ、という強い意志を感じます。彩の楽曲に躍動感があるのは正にキリオの功績で、キリオ抜きのライブ音源と、キリオ入りのCD音源を聴き比べると、全然別の楽曲に聞こえるくらいです。とにかく、最初から強烈な印象を受けました。

人間性は、これまた変わっています。
言動が明るいので、相手の懐に飛び込んで甘えるタイプかと思いきや、接するうちに、適切な接しかたや距離感が掴めなくて、距離を置かれるタイプだと気付かされました。
びっくり箱は面白いかも知れないけれど、毎日びっくり箱を突き付けられたら、疲れてしまいますからね。
人を喰ったような発言が多いから、本人は全部本気でも、真剣味がないとも思われそうです。LINKの「悩みすぎて昼も眠れない」は、一瞬流しかけて、おい!と思いました。

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そうして距離を置かれても、本人は気にせず、凹みもしないのだろうけれど、ふとした時に孤独を感じるんじゃないだろうか……と私の方が気を揉んでしまいます。
創作噺が上手いと言うことは、観客の気持ちを動かすことは得意なはずです。それが自分と誰かという一対一の関係になるとポンコツになるのは、落語の狭い世界で生きて、人と関わっていないということを示しているのかなと思います。

粋でいなせな華村翔真

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翔真は、見た目は奇抜ですが、性格は良いし、仕事にも遊びにも全力を尽くす、いい男だと思います。
梨園出身ではない分、テレビの仕事をして人気を確保しようとするなど、自分の夢のため貪欲に努力をして、それで実際にある程度成功もしているところが格好いいですね。見た目はド派手だけれど、実は一番堅実というタイプです。
その一方で、メイド喫茶に通う理由を語ったときに軽く吐露したように、本音では自信がない面もあるのですね。

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これには少し驚きましたが、だからこそ努力しているんだなと、翔真の姿勢に一層感心しました。努力を怠らない人だからこそ、Pに対しても決して甘くはなくて、時には嗜めてくるところがありますよね。そんなところも、お仕事相手として私は信頼しています。

なお、サイスタのエピソードゼロ2話によると、実際にアイドルの仕事を見たことで、舞台上で輝く道は他にもあることに気付いたようですが、そのアイドルというのがJupiterなんですって?
私は「Jupiterが好き」と言ってくれる人を好きになるチョロいPなので、事の真偽が気になっています。

清澄九郎という大器

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すごく真面目で、それが少し世間からズレているのがとても可愛い男の子。メンタル属性曲イベントで、他4人がノリで会話している中、周りに合わせようと一人だけ考えながら対応しているのがとても「らしく」て良かったです。
とはいえ九郎は、見た目や硬い喋りかたの割に、お硬いキャラではなかったです。
スカウトされる前から、伝統に凝り固まった祖父と対立してまで、茶道人口を増やすという野心のためメディアをうまく活用しようとしていたことに感心しました。そういう発想ができるあたり、意外と柔軟です。茶のためなら、羞恥心も軽いですよね。

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ただ、翔真と違って自分の思う通りにメデイアを使えなかったところに、人生経験の差が表れたのだろうと感じます。315プロの中で揉まれて、5年、10年経ったら、精神だけでなく言動も強かになって、いい子からいい男に成長するのだろうな、と楽しみに思えるキャラクターです。

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