アイドルマスターSideM ラジオ「315プロNight!」第372回寸劇ネタ

クレヨン

※注意※「C.FIRSTエピソードゼロ第3話」の解釈を含みます。

「……思ってたのと違うなぁ」
 二人が顔を見合わせ、困惑と悔しさが混ざった表情を浮かべたのを見て、鋭心は自分が間違ったことに気付いた。
 そうだ、これはドッキリだったのだから、ただ驚いたと言えば良かったのだ。誰でもわかる最適解が提示されていたのに、二人が口にしたクレヨンが本物でなかった事実に安堵して、思ったことをそのまま口にしてしまった。
 どういうわけか最近、こういうミスが増えていた。アイドル活動に慣れ始めて、緩んでいるのかもしれない。
 幸い、今回はユニットの仲間しかいない場面だったが、次はカメラが回っている可能性もある。その場に相応しい回答か、よく精査してから発言しなければならない。ただし、不審に思われない速度で。
 帰宅次第、代表的なバラエティ番組を見て周囲が求める正しい反応を学習することを脳内のスケジュール表に書き込みつつ、鋭心は二人から差し出されたクレヨン型の落雁を口にして、美味しいと微笑んだ。


エピソードゼロに対してはまだ咀嚼できていないけれど、とりあえず、いままで自分には絶対書けなかった「鋭心視点」の話が書けるようになりました。
その代わり、没になったネタもありますが……。

C.FIRSTパーソナリティーの372回寸劇は、後輩二人から「クレヨン型の落雁を本物のクレヨンのように見せつつ食べる」というドッキリを仕掛けられた鋭心が、ネタバラシに対し「二人に健康被害がなくてよかった」と答えた微笑ましい内容。
しかし最適解を返すことを至上命令にしている鋭心からしたら、後輩たちを困惑させたこの回答はミス判定だったじゃないかと思ったので、それを覚書としてSSにしました。
鋭心のことは、常に最適解を探しているポンコツ気味のロボットだと思ったら、少し可愛く見えてきました。偶にする天然ぽい発言は、さすがに天然物なのだと思うので……

ところで、この寸劇のモチーフになったのは越乃雪本舗大和屋の和三盆糖「おいしいおえかき」じゃないかと思っています。商品と直接結びつかないように落雁に置き換えたのでしょうけれど、正直、私は落雁があまり好きじゃないので、和三盆糖のままなら心から美味しいと思える描写を入れられたのですが、落雁だとそうもいかず、鋭心に「その場の最適解」を言わせている気持ちになってしまいました(苦笑)。

※文中のイラストは、「いらすとや」様からお借りしました。

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