2022年10月28日ロマサガRS実装、侯国大学文化祭ガチャより。

ロマサガRS ロマサガRS ロマサガRS

 学生生活はいいものだ。
 小此木烈人は頬を弛めて笑った。
 この頃はカワイイ女の子と机を並べて楽しくお喋りしていれば、あっと言う間に一日が終わってしまう。充実した人生を過ごしていると、ヒーローに変身して戦う暇なんてこれっぽっちもない。
 テストの結果が返されるときだけは楽しくないけれど、こんなものはゴミ箱に捨ててしまえば終わりだ。
 そうと決めて、烈人が答案用紙を丸めて放り投げた瞬間、即席のボールは悪戯な突風に押しやられ、ゴミ箱を大幅に越えて転がってしまった。
「あーっ!? ま、待て!」
 思わず絶叫したのは、間の悪いことに、考えうる限り最悪の男がそこに現れたためだ。
「……ほーう?」
 その男、ブラッククロスの幹部シュウザーは、足元に転がった答案用紙をわざわざ広げると、その点数を一瞥し鼻で笑った。
「あの小此木博士の息子が、この成績とは」
 父と比較されるのは気に触るものだが、この男に言われるほど苛つくことはないだろう。いくら同じ世界に召喚され戦闘を禁止されていようと、仇であることは変わらないのだ。
「頭の出来は、お前も似たようなもんだろ」
 無論、烈人はシュウザーの成績など知りもしない。だが彼の部下である戦闘員共を見る限り、ブラッククロスの怪人に知性などあるまい。
 しかし、シュウザーは烈人を嘲笑うと、立てた中指で己の頭を指した。
「ふはは、忘れたのか。オレ様の頭には小此木の脳が埋め込んであるんだ!」
「ず、ずりーだろ!」
 バイオメカニクスの権威・小此木博士の脳をもってすれば、侯国大学ごときの試験でいちいち勉強をする必要などない。
 烈人だって、シュライクで学生生活を続けていればもっと成績は良かったはずなのだ。それが、ブラッククロスの襲撃で家族を失い、生活のためキグナスで汗水流して働きつつ悪の組織を追う羽目になった。すべてシュウザーを筆頭とするブラッククロスのせいではないか。
「俺の父親の脳だぞ、返せよ!」
「返してどうするんだ。小此木は割とうるさいぞ」
 思わぬ返しに、烈人は目を丸くした。
「父さん、お前の頭の中でしゃべってるのか?」
 勢いで返却を迫ってみたが、そもそも怪人に移植された脳がどんな状態なのか、烈人はなにも知らないのだと思った。
「ああ。いまは小僧の成績を見たショックで言葉が出ないようだが、もしお前に移植したらあれこれ指導が始まるだろうよ」
 父親は冷静な人物だったが、一度火が付くとうんざりするほど熱弁を振るい、思った通りの成果が出るまで何度でも繰り返しをさせる人であった。それを思い出した烈人は、視線を少し下げて呟いた。
「……返してもらう件は、ちょっと保留で」


シュウザーに2つ目のSSスタイルが実装されたこと自体も驚きですが、それがコスプレもので、無茶苦茶格好良いことにはもっと驚きました。
そして、佐賀コラボタイトル画面でもレッドとシュウザーは並んで山車見物をしていたし、今回は一緒に学園ガチャですし、意外と仲良く過ごしているのか?と思ってしまいました。実際、シュウザーが直接に父親の仇でさえなければ、気は合ったかもしれません。

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