現在地:功夫編クリア
心山拳を、老師から弟子へと受け継いでいく物語。
オープニングで「清流も場合によっては岩をも砕く激流となる」と言っておきながら、いまの老師が岩を砕けない様を見せて衰えを示し、最後は継承者となった弟子が岩を砕いて終わるという綺麗な流れでした。主人公チェンジがあるから、キャラクターの名前でなく流派名をつけることになる点も気が利いていました。
しかし気分的には、現代編以上に戦闘戦闘戦闘…という感じにバトル三昧だし、目の前で死ぬ人も多く、ちょっと疲れました。
義破門団道場に殴り込んでから、雑魚の義破門団員や虎と何度も戦闘があって面倒だったし、ラスボスの前座がなんと六連戦。まぁ、厳密には連戦仕様でなく、一戦ごとセーブのタイミングもあるのですが、戦う以外にするアクションがないので、まだ敵が残っているのかとうんざりしました。
老子は、初めのうちは出てくる敵を一撃で倒すし、敵の攻撃はほぼ回避するという無双の強さを見せるのですが、後半になるとだんだん力が衰えているかのように感じられました。
レベルが変動しないので、敵や弟子のレベルアップ分に対し、相対的に弱く感じたのだと思いますが、それがプレイヤーに老師の老いや寿命を想像させる働きをしていて、なかなか上手い能力設定だと思いました。
3人の弟子は、ユン・ジョウを継承者にするのが本道と感じさせる流れになっていたので、大人しくユンを選びました。
プレイ前は女の子のレイにするつもりだったのですが、弟子入りの経緯があまり好きになれなかったためです。
一方のユンは、他の二人と比べて取り柄のないことを悩んで深夜に特訓している姿を見せられることや、「心じゃよッ!」という耳にしたことがある台詞を言った相手であるという点も無視できませんでした。
性能で選ぶなら、初期レベルが高く、遠距離攻撃もあるサモが良かったんじゃないかと思います。
ユンを継承者にすると決めてから修行に入ったので、修行対象は全部ユンを選びました。これも合計12戦という長丁場。無駄にカウンター技を覚えるから、戦闘が長引いて苦労しました。
だんだん弟子が手強くなるのを肌で感じられること自体は、面白かったです。
老師が破落戸を市場で懲らしめるのと、義破門団に道場が襲撃されるのが同時だったので、時系列に関しては少し違和感がありました。破落戸が市場で暴れたことが結果として囮になったのは、偶然だったんですかね。破落戸が最初から義破門団の門下生で、最初の町の事件自体が義破門団の仕業だったなら、話がスッキリした気がします。
なんにせよ、弟子たちを殺された老師の嘆きと怒りに揺さぶられました。
事件前、弟子たちには「力に力で対抗したところで憎しみを増やすだけ」と教えていたけれど、結局最後に老師がするのは復讐であることに哀しみも感じました。もちろん正当な怒りではあるけれど、実際に己が力で蹂躙されたときの行動は教えと違ってしまったと思いました。いや、そもそも破落戸を糺したから憎まれたことが原因と考えると、最初から老師も力で対抗していたのだ、と見ることもできそう。憎しみの連鎖をどこかで断ち切る必要がある、という理屈はわかるけれど、難しい話ですね。
そんなわけで、義破門団道場への討ち入りから後は、ひたすら戦って奥を目指しました。
最終的にオディワン・リーとの戦いは弟子に託されて、一騎打ち。もっとも最初に奥義・旋牙連山拳を叩き込んだ時点で結構体力を削れるので、苦戦するところなく終わりました。
そのまま老師が亡くなってしまうのは寂しかったけれど、仇を討ち、弟子がオディワンを倒すまで成長したところを見届けられたと考えると、本人は満ち足りた気持ちで迎えた結末なのかもしれませんね。