宝塚宙組「HiGH&LOW -THE PREQUEL-」「Capricciosa!! -心のままに-」15:30回観劇(VISA貸切)。

GROWING STARS

コロナ禍で自粛していたので、生の大劇場は2019年以来。
真風の退団が近いことを予期したので、宙組を観ておきたいと思って、ひさしぶりにチケットを申し込みました。ただ今回は演目ゆえにLDHファン界隈からも注目されていたので、東京のチケットは難しいかと思っていたのですが、とても有難いことに前楽貸切公演をゲットすることができました。……前から思っていたけれど、前楽だろうと容赦無く貸切にするVISAのせいで、宝塚ファンの9割はVISAグループのカードを持っているんだろうなぁ(笑)。

ひさしぶりの宝塚は、ほとんどの生徒さんを判別できなくなっていたけれど、とても楽しい素敵な時間でした。

HiGH&LOW -THE PREQUEL-

本家「ハイロー」シリーズは未履修。今作THE PREQUELはドラマ版の過去話だという情報だけ仕入れ、それなら予習なしで問題ないだろうと割り切って観劇しました。
実際、オープニングで5つのチームとリーダーが字幕付きで紹介されたり、本編登場時も各チーム自己紹介の一曲があったり、情報量は多くとも整理されていたので困りませんでした。ただ、鬼邪高校をオヤコウコウと読むのだけは、最初聞き間違いかと思いました。
予想通り、SWORD5チーム+暗躍する苦邪組他、複数のグループが入り乱れて戦う話なので、抗争シーンが多く、宝塚の舞台でやる乱闘シーン一年分くらいの尺がありそうでした。一方、ギャグっぽいやりとりも相当あって笑う箇所が多かったのは、これは良い方向に予想外でした。
ほとんどの場面がショーアップされていて、格好いいカットを楽しむエンターテイメント作品として十分楽しめました。ストーリーがどうとか言い出すのは、こういうスタイルの作品には野暮ですね。

コブラ@真風涼帆は、ただ喧嘩が強いだけで意外と「普通」の男の子なのかな、と受け取りました。
格好いいんだけれど、押しに弱くて優しさでできている青年。主人公として応援したくなる奴でした。
結構衣装持ちで、いろいろな姿を見られたのも良かったです。特に夏祭りの浴衣姿には、浴衣一枚で男らしく見えるザ男役の技を見てときめきました。

過去話でヒロイン・カナ@潤花がオリジナルキャラクター、という時点でヒロインの死亡はほぼ見えている展開でしたが、登場して5分くらいで「余命宣告を受けているので、本編の邪魔をせずちゃんと死にます!」の自己申告をしてくるのは見事な先制攻撃でした(笑)。死ぬ前にやりたい、という拒否し難い方法で主人公に迫るので、ヘタをすると同情を買おうとしている嫌な女になるところを、とても可愛い女の子にしていたのは、脚本と役者の両方が上手かったなと素直に感心します。
特に死んだ後、即座に幽霊として「出ちゃった♪」と現れることで、コブラの哀愁が吹っ飛ぶのは笑えました。

Rocky@芹香斗亜は、舞踏会はカナや侵入者騒ぎでごたつくし、クラブはオープン初日に燃えるし、不運キャラなのか?と誤解しそうな具合に良いところがなくて笑いました。女を殴らないリーダーの方針のせいで、ホワイトラスカルズが苺美瑠狂に助けられるのも面白かったです。
本家をまったく知らない、THE PREQUELの話と役者だけの印象では、RUDE BOYSのスモーキー@桜木みなとが格好良かったです。特に苦邪組のスパイだったGEN@松風輝と相対したときに「なら土産を持っていけ」と呪いを掛けるところはゾクゾクしました。出番は短めながら、強い印象を残したと思います。
達磨一家はダンスとラップ、太鼓で魅せてくれました。復讐とか言っていましたが、なんだか可愛いチームにも感じたのは、祭りを仕切るというところに私が勝手にお祭り野郎精神を感じたからでしょうか。
鬼邪高校はコブラのメインストーリー話にまったく絡まないのに、SWORD5チームを表現するためにメンツを割いているのは贅沢でした。

苦邪組は、当初は各チームを偵察し、それぞれに潰し合いをさせようとする動きでいかにもな黒幕だったのに、いざ決行になると取り敢えず火を付けて回るだけの雑さと、全チームに犯行がバレている爪の甘さに笑いました。
まあよく考えたらリーダーのリン@留依蒔世が、チームとしての登場シーンで男(非女装)のメイナンツー@泉堂成を侍らせていた時点で変なチームでした。メイナンツーくん、リンのコートを片付けた後、一人で「ちょこん」とソファに座り直す姿が面白くて印象に残ったのですが、どういう存在なのか一切説明がなかったので、幻を見たような気分にさせられています。

Capricciosa!! -心のままに-

藤井大介先生らしい盛り沢山ショー。
次作(一本物)で退団するトップコンビにとって最後のショーであることを加味した雰囲気もあり、特に退団へのカウントダウンを示唆したりこれまでの道のりを語る真風のソロには、グッときました。

コメント

  • コメントはまだありません。

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メール
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー
(スパム対策に 投稿キー を半角で入力してください)