STAR WARS ジェダイ:サバイバーで、カル&BDバディの雰囲気SS。

ジェダイサバイバー

 カル=ケスティスは危険に直ぐ首を突っ込む、と思われている。
 もう子供ではないのに、出掛けに危ないことをしないよう言い含められない日はないし、やっていないと主張しても、マンティスに持ち込まれたトラブルの元はカルのせいだと言うことになっているのだ。
 故に、常にカルに同行しているドロイドがお目付役として期待されるのは必然だった。
「おいBD-1、ちゃんと面倒見てるのか?」
「BD、カルをお願いね」
「あまり無茶させんようにな、BD-1」
 カルとしては、好んで危険に飛び込んでいるわけでない。しかしフォースに指し示されるのが道なき道なのだから、多少無茶をしなければならない時もある。
 そんなわけで、今日もカルは、落ちれば生命はない断崖絶壁を跳んで渡り、電流の走るケーブルを乗り継ぎ、仕上げに心臓破りの坂を滑って降りた。恐ろしいほどのスピードだったものだから、摩擦で左腕から尻までがほとんどボロ切れ同然になり、グリーズ曰く「常識人なら人前には出ない格好」になってしまった。マンティスに帰ったら、また非難轟々に違いない。
 で、こういうときに肝心のお目付役がなにをしているかというと、スリル満点のジェットコースターに大喜びでピピポポ鳴いているのだった。
「ーー理不尽だ」
 実際のところ、カルの生命を賭け金にして嵐の中へ飛び込もうとするのは、怖いもの知らずなBD-1の方なのだ。BD-1の要らぬ好奇心によってカルが落ちた穴や、戦う羽目になった獣は数知れない。
 だが、溜息なんて付いてどうしたんだ、と背中に蹴りを入れてくるこの存在に助けられた回数は、それより遥かに多い。
 ぼやきはしたが、小さな相棒の無謀を引き受けるのは自分が好きでしていることでもあったから、カルは肩をすくめて応えた。
「いや、お前が楽しかったなら良いよ」
 ただし、アンコールの希望は却下した。


フォールン・オーダー時空でも書けるネタでしたが、一応サバイバー設定です。
優しく頼りになるBD-1だけれど、カルが無茶をするときに嗜めるよりは嗾ける方ですよね。普段が有能だから気付きにくいけれど、結構トラブルも引き起こしてます。とはいえ、さすがのBD-1もレーザー砲の燃焼室を通過するのは楽しくなかったようなので、スリル狂いというよりは純然たるスピード狂が正しかったかもしれません。
あとは、挑発的な性格ですよね。グリーズの目を盗んで、飛行中にマンティスの操縦スイッチを押そうとするのも好きです。

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