PS5「FINAL FANTASY XVI DEMO」をプレイ。
※クリアデータを製品版に引き継ぐので、01として感想に組み込みます。
いつもは、購入確定しているゲームの体験版は触れずに製品版リリースを待つのですが、今回はシナリオ重視が明言されているので、ネタバレを避けてプレイするために遊びました。
期待値通りの出来で面白かったです。
ビジュアル表現に強いスクウェアの復権
最初に期待を超えていた点として挙げておきたいのが、意外にもグラフィックです。
PVやスクリーンショットと、実際にプレイして自分が目にする画面がまったく別物です。パフォーマンスモードなのに、ちょっと驚いたくらい綺麗でした。
自分でスクリーンショットを撮ってもプレイ中画面と違うと感じるのは、モーションブラーが効いてるせいですかね?
リアル路線ともアニメ路線とも少し違う、PS2時代辺りのファンタジー世界の質感が進化した感じなのも、JRPGで育ったゲーマーとしては嬉しい限りでした。
ゴブリンなんかはガッツリ怪物になっていて、おぞましさがあります。
ただ、奇抜な髪色やファッションを避けて重厚なダークファンタジーらしいデザインにまとめた分、どの登場人物も似ていて、人の顔を見分けるのが苦手な私は人物の見分けに苦しみました。暗殺部隊のリーダーとシド、タイラーと将軍なんかは同じ顔に見えます。
大人のファイナルファンタジー
開発陣がアピールしてきたストーリーは、納得の出来だったと思います。
ストーリー主導の結果としてカットシーンが多いため、かつて揶揄された「ムービーゲー」に回帰した感はあります。リニアな作りも含めて、FF10に似ていると感じました。FF10に代表されるストーリー重視のナンバリングは私の好みからは外れますが、世間でFF黄金期と言えばFF6〜10なので、FFシリーズ復権のためには良い選択だと思います。
プロローグで「クリスタルをめぐる探求の旅」というフレーズがあったりする点も、往年のシリーズファン=大人に向けたメッセージと感じました。
主人公の行動動機が復讐だったり、国家間の陰謀劇が主軸だったり、世界が滅びに向かっている様子があったりと、かなりダークファンタジーに振り切った感じです。
CERO:Dだけあって、流血表現も凄まじいです。登場人物は血塗れになるし、かなり真正面から戦争の重さを描いていました。でも単に切った演出として血が噴き出るのでなく、戦場の悲惨さ、怒り、悲しみを感じさせるための必要な表現であると受け取れました。
よく考えると過去シリーズ作も暗い設定はあるのですが、登場人物が明るかったりしてあまり感じさせなかったのに対し、本作は真正面から暗い話をやるぞ、という気合いを感じた2時間でした。
物語構成としても、体験版での序盤2時間で、世界観を理解させる導入の役割と、衝撃展開で続きが気になるフックの両方が入っているのは上手い作りだと感心しました。
青年期の展開は流れから想像できる展開でしたが、召喚獣アクショントライアルでのベネディクタ戦の後はどうなるのか、大変気になっています。
ジョシュアがとてもいい子なだけに、後半は本当に可哀想でした。
クライヴは母親のせいで自己肯定感が弱くなっているんだと思うのですが、今度はそのクライヴがジョシュアを勇気付けるつもりで呪いをかけてしまった感があって、頭を抱えました。
フェニックスとして覚醒して暴走した後も、火のドミナントと戦う間にジョシュアの意識が戻ったのがまた辛く、これなら暴走して正気を失ったまま喰われた方が良かったのでは、と思ってしまいました。
そんな中、お目当てのトルガルがとてつもなく可愛くて、ホッとしました。トルガルが映るとスクショ連打です。
勝手にラピードやブランカみたいなクールな性格を予想していたので、幼狼自体のやんちゃさと気儘さには驚きましたが、それもまた良しです。成長後は間違いなく頼りになる存在ですしね。製品版では、まず再会シーンを楽しみにしてます。
アクション初心者に配慮しつつもスタイリッシュに決めた戦闘
完全にシームレスなアクションバトルでした。
プレイモードが「ストーリーフォーカス」だとアクセサリー「オートアタック」が自動装備されているため、連打でも勝手に各種アクションを盛り込んで華麗に戦ってくれます。速攻で外しました(笑)。
しかし、ストーリー重視RPGを好む層にはアクション要素を苦手とするプレイヤーが多そうなので、こういった戦闘補助アクセサリーが充実しているのは良いことです。アクションを理由にFF15をパスした友達にも、これなら勧められそうだと思いました。
私自身、混戦だと死角からの攻撃は避けにくいので、オートスローは付けようと判断しています。オートトルガルは製品版で考えます。
ボス戦だとQTE的な操作がありますが、これもフェーズ移行を示す要素としてなかなか楽しい演出になっています。カットシーンに合わせて攻撃か回避のアクションをとる形なので、ボタンが表示される前でも「ここで回避だ!」等と判断して押せばそのままカットシーンが繋がり、とても気持ち良かったです。「プレイヤーが動かす映画」が目指すところなのかな、と思いました。
フェニックス操作だとほぼシューティングだったり、召喚獣に変貌しての戦いも、色々バリエーションがありそうで楽しみです。
その他システム周りの雑感
- マップがないのは思い切ったなと思うけれど、ミニマップがあるとそこに注目してしまうので、英断かもしれません。L3誘導機能のお陰で、道に迷うことはありませんでした。
- アクティブタイムロアは、吉田Pが「タクティクスオウガ」のセレクトボタンを絶賛していたことを思い出しました。
- ドアを開けるときのR2アクションは何の意味があるのか疑問だったのですが、召喚獣アクショントライアルの方で、アクティブトリガーを使う為だと気付きました。牢の扉を持ち上げる時の重みは、非常に臨場感がありました。
- 竜騎士ポーズだったり、ロザリア公国の名だったり、往年のシリーズを彷彿とさせる要素があるのは、ある種のFF14チームらしさでしょうか。
- 読み込み関係は、ローディングの存在を忘れるくらいスピーディーで、正にシームレスなゲームでした。唯一、メニューからワールドマップを表示するときはもたつく感じですね。
- フォトモードは、もう少し大きくカメラを動かしたいと思いました。直前に遊んでいた「ジェダイ:サバイバー」のフォトモードが良過ぎて、贅沢を言っている自覚はあります。
- 非常に作り込まれたグラフィックなだけに、リップシンクが日本語だと合わないのがやや残念。英語ボイスも気になるところです。
あとは発売日を楽しみに待ちます。
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