現在地:クリア
※エンディングまでのネタバレを含みます。
しみじみと、戦争は間違いなく悪だし人間は愚かだ、と思わされるゲームでした。
Chapter4が始まると、カールたちはせっかくサン=ミシェルに着いたのに、今度はドイツ軍に捕まって戦地に戻されてしまうことに。
兵舎を出たらウォルトが急に走り出したので、何事かと思ったら、元の飼い主との再会が待っていました。
お腹を見せて喜んでいるのを見せられ、「どんなにウォルトの信頼を勝ち取っていたとしても、いまさら出てきた奴に相棒の位置は渡さないぞ」と対抗意識を燃やしたのですが、その後、空襲から逃げる中で運悪く死んでしまい、なんとも言えない気持ちになりました。
実際のところ、カールにも親切でいい友達だったし、飼い主の死を目の当たりにしたウォルトの気持ちを考えると、生き延びて欲しかったです。
そのまま、毒ガスが充満する戦地へ移動。毒ガス兵器を使うのはドイツ軍だけでなく、フランス側も使ってくるようになったんですね。
ハシゴを登った先に地下行きの梯子があることに気付けず、ウォルトも先に行って消えてしまったので、バグったかと疑ってしまいました。
ここではガスマスクを調達することが主目的になりましたが、犬用ガスマスクが用意されていることにちょっと笑いました。
ここのパズル難易度は非常に高かったですが、ウォルトの安全のためなら許せました。……でもこのマスク、装着していてもウォルトの舌が見えるんですよね。欠陥品では?
続きはフレディで、ビミーリッジの戦いに参戦。
砲撃するところでは、最初当てずっぽうで飛ばしたらジャストミートで一基壊せてしまいました。出鱈目に撃っていたら隠し的に当てたらしくトロフィーも獲得。
しかしもう一基にいつまで経っても当たらず、何かおかしいと思って辺りを彷徨いてようやく測量機の存在に気付くことになりました。下手に一撃で当ててしまったから、ノーヒントでやるものかと勘違いしたのが失敗でした。
2回目は、撃った後に正しい方角を指示されるのでわかりやすかったです。
その後の道中は、戦車の真後ろにいれば敵の攻撃が防がれて安全だと分かり、ぴっちり戦車にくっついて歩いていたら、最後に坂を登れず逆さまになった戦車の下敷きにされ苦笑いしました。開発者に見抜かれていましたね。
その後は再びカール操作。エミールの農場に着いたところからスタートだったので、また戦地を抜け出したのか、それとも褒賞のようなもので一時帰還が許されたのか経緯がわからず、せっかく目的地に着いたのに少しモヤモヤしました。
しかし、このタイミングで自宅に戻らねば妻子とは再会できなかったはずなので、その点ではここに辿り着けて良かったなと思います。
このステージでは、充満するガスで視界が阻まれるために、パズルの全貌がなかなか分からず苦労しました。
マスクを妻に与えて、毒ガスの中で意識を失ったところでまたキャラクター切り替え。この後のシーンで家の外に転がっていたところを見ると、外に辿り着いたところで力尽きたのだと思いますが、バッドエンドか?と不安になるタイミングでの場面転換でした。
そして、エミールでシェミン・デ・ダムの戦い(Chemin des Dames)。
ゲームとして最後の戦場だけあって展開が長く、一緒に出発した仲間たちが一人また一人と倒れていくのも心理的に辛かったです。仲間に合わせて動けば大体の局面は乗り切れたけれど、どんどん爆弾が増えていく中、地下を掘り進めるのはかなり怖かったです。
恫喝して死地に向かわせる士官は横暴だと思っていたけれど、一応味方である士官を殴っていいのか、と最後のシーンはなにを操作すべきなのか少し躊躇わされました。一方でエミールに躊躇がなかったのは、義憤だけでなく、自身の病気で心が病んでいたとか、戦争の狂気に呑まれて暴力的になっていたとか、色々要因がありそうですけれど、それで士官を殺してしまうことになり、後味の悪いステージでした。
先に結末を書くと、この事件で反逆者となったエミールは最終的に銃殺され、娘夫婦と再会することなく話が終わってしまいました。ショックでした。正直、メインキャラクターの中から死者が出るなら、復讐を果たし終えたフレディだと思っていました。
エミールが、カールは死んだと思い込んだままだったのも悲しいです。
でも娘への手紙では、恨みつらみを言い残すのでなく、神の思し召しだと受け入れるのですね。
こんな善良な人が人生を狂わされるんだから、戦争は狂気の沙汰です。
一方、バッドエンドを危惧していたカール側は、ウォルトがアンナを呼びに行ってくれて、なんとか一命を取り留める結果になりました。
なんて、なんて優秀な犬なんだ……。
なかなか救急箱の場所がわからず、カールが保たないんじゃないかと焦りましたし、最後の治療は結構難しく、リズムが合わなくて終盤激しくミスしてしまいましたが、ギリギリ成功しました。
これをノーミスでクリアしないといけないトロフィーがあるんですよね。他はなんとかなると思うのですが、この一点のせいで、コンプリートを狙うかどうか悩まされています。
小作品と言いつつボリュームは充分ありますし、やり応えもありました。
パズルアクションだけでなく、ステルスミッションもあったり、音ゲー要素もあったり、飽きさせない工夫もされていて、「CHILD of LIGHT」同様にUBIの良作だと思いました。
なお、Switchだとこの2本はセットで販売されているんですね。かたやファンタジーRPG、かたや戦争モノアクションとジャンルは違いますが、作品の質は似ているので妙に納得できました。