アイドルマスター SideM 楽曲連携ストーリー「歩み続ける者の肖像」「Time goes on」感想。
以下、無償・有償部ともにネタバレありです。
2ユニットとも、演技仕事を通して過去に思いを馳せるエピソードになりました。また、写真撮影、インタビュー、番組出演など多様な仕事シーンが描かれていて、アイドルとして彼らが活躍している姿を見られて良かったです。
それにしても、年齢は変わらないのに、経験は10年分蓄積されているアイマス時空は、自分で創作しようとすると非常に難しく感じてしまうのですが、公式はさらりと描いていてさすがだと思いました。
S.E.M 歩み続ける者の肖像
ゴッホの作品を紹介しつつ、半生をドラマで再現するという番組企画から、暗い話になるのかなと身構えていたのですが、S.E.Mの三人は役は役として完全に切り離して分析していたので安心しました。さすがに前職教師の成人男性ユニットだけあって、大人です。
ゴッホ周りの人間関係を類はcomplicatedだと評したけれど、硲先生と山下先生も、決して単純な関係ではなかったんですね。それどころか、出会った当初はお互いをよく思っていなかった関係から、今はそれを暴露できる関係になっているのだから、もっとcomplicatedかもしれません。
ゴッホとゴーギャンは各々の考えに拘泥したけれど、二人はお互い以外の人との出会いも通して、視野を広く持とうと考え直せたから、認め合い尊敬し合える関係になったんだろうと思うと、やはり硲先生も山下先生もすごい大人だ!と改めて尊敬の念を抱きました。
タイムマシンでいつの時代に行きたいかの会話で、硲先生は未来、山下先生は過去を選ぶのも二人の考え方の違いが出ていて成程と思いました。類が未来を選ぶのは、良い未来しか思い描いていない&過去に興味がないからで納得です。こういうバランスの三人だから、S.E.Mというユニットができて、魅力を放っているわけですね。
この話の個人的な聞き所は、3話の類の「Earをcut off!? Ouch…!」からの「どうしてそんなことをしたの」のギャップだと思いました。類って、こんなふうに喋る時もあるのかと驚きました。
あと、硲先生と山下先生の過去打ち明け話の後に、お返しで「俺と北斗のドラマ」を語ろうとするところにも笑いました。テニサー組の話も、3話分くらい語ってもらいましょう。
Legenders Time goes on
ソロ活動を増やしてアイドルとして成長しようとする三人の話。
冒頭、不仲だからソロ活動を希望するわけではないと前置きするのは、仲が良くないと言えない冗談なんだよなあと思いました。
また、今後ユニットで集まる機会が減るかもしれないと感じたクリスが消沈したのを察知して、想楽はすぐフォローする優しさを見せたのがグッときました。
Legendersの三人は、登場初期の本当にビジネスライクな関係から完全に人間関係性が変わりましたよね。それこそ、硲先生と山下先生の関係が出会った当初と今で変わったくらい劇的な変化で、それが三人分。何より彼らの変化はすべてSideMの作中で描かれたものだから、余計に今の関係性を尊く感じるんだろうと思います。
変化の一つとして、雨彦も想楽もびっくりするくらいクリスに優しくなったと思うのですが、実際問題、Legendersの要がクリスなんだと思います。
本音では三人で喋りたいと思っても、想楽はLINKするほどじゃないと判断して控えるけれど、クリスはそういう構え方をせず、先にLINKしてくれている。だからこれに自然に返事ができるし、雨彦も二人からの連絡を無視すると心配させてしまうからという言い訳で乗っかれるのですよね。
雨彦の家(スチル)での想楽の表情差分が非常に豊かで、これは外向けの表情ではなく、三人だけだからこその弟の顔かもと感じました。
ドラマは、私の不得意ジャンル(SF×ミステリー)でしたが、ショウとの追いかけっこメインでなく才木と飛田の擬似バディ物っぽくなるなら面白そうだなと感じました。これは、日頃言葉を武器にしている想楽が、暴力を武器にしている役を演じている時に感じる可愛さがそう思わせたのかもしれません。
想楽演じる飛田順平による「これからはもっと存在感出してこーぜ!」の煽り、透明化能力の持ち主に対する煽りとしてレベルが高すぎて笑ってしまいました。
※冒頭のイラストは、「いらすとや」様からお借りしました。