久し振りのPS5版「真・三國無双ORIGINS」総評です。

真・三國無双ORIGINS

無双シリーズは初プレイ(真・三國無双8 無料共闘&体験版のプレイ経験あり)。
本作はif含めた6ルート、全武将絆MAXクリア済みです。

三国志入門として文句なしのストーリー

本作は「ステージ攻略型アクションゲーム」ですが、ステージの合間にはフルボイスで描かれる物語が挿入され、戦いに至る流れが語られています。お陰でストーリー物としても楽しむことができ、三国志知識は大昔に読んだ岩波少年文庫版三国志と、読了していない演義、ゲーム「神奏三国詩」だけの私が、浅いなりにすっかり三国時代ファンになったくらいです。

真・三國無双ORIGINS

三国志って、演義含む多様な「二次創作」が作られているだけあって面白いんだな!と実感しました。

また、固定のオリジナル主人公というのも三国志に詳しくない人間からすると有難い要素で、正史に存在しないからこそ、好悪の感情なく主人公として受け入れやすかったです。

真・三國無双ORIGINS

中盤以降は所属陣営別のストーリーになるのは、陣営を選ぶことに大きな意義が生まれていましたし、周回意欲を掻き立てて良かったです。

真・三國無双ORIGINS

孫呉ルートだと、知らない内に呂布や袁紹が死んでいたり、有名な戦いのほとんど関与しないので、大戦の攻略を目的にしていたら物足りなかったかもしれません。しかし私は、これも1箇所に身を落ち着けた結果として受け取って面白く感じました。
欲を言えば、2周目以降に三国以外や、どこにも所属せず傍観を貫くルートもあれば嬉しかったです。袁紹ルートと呂布ルートは各3000円以内なら即日買います。正史からズレちゃうので難しいと思いますけれどね。

切れ味の良いアクション

もちろん、メインコンテンツであるアクションゲーム部分も面白かったです。
自分の部隊を率い、戦場を駆け回って味方を援護して勝利をもたらし賞賛されるのは気持ちよかったです。

真・三國無双ORIGINS

操作キャラクターがオリジナル主人公のみという点が発売前に批判されていましたが、歴代作品を遊んでいない私には違和感なく受け入れられました。なんなら随行武将チェンジも、史実ルートクリアまでは全然使わなかったくらいです。

基本的にはキビキビと気持ちよく動きますし、攻撃モーション中でも、即時ガードに切り替えられる点は、ストレスがなくとても良かったです。

真・三國無双ORIGINS

私は、技キャンセルできない仕様だと、防御タイミングを見誤らないよう、攻撃が控え気味になる方なので、バンバン攻撃しつつ、必要なときは即座にガードできる本作の方が合いました。一部の敵アクションに、攻撃予備動作から実際の攻撃まで妙なタメがあってパリィのタイミングが合いにくいときはありましたが、パリィ自体の気持ちよさも味わえました。

武器種ごとに特色があり、コンボの組み立ても楽しめました。
なお、武器によって使いやすさに差があるのは仕方ないと思いますし、そこまでバランスが悪いとは感じませんでした。私は、世間で強いと言われている方天戟が苦手で、飛圏の使用数が断トツだったりします。棍も割と戦いやすいです。剣は意外と苦手だったかもしれません。

真・三國無双ORIGINS

ただし、次項で述べる難易度の問題はありました。

難しすぎる、と同時に簡単すぎる難易度

体験版配信後に難しさが話題になった通り、本作はそこそこ歯応えがあるゲームに仕上がっています。

真・三國無双ORIGINS

難易度設定や育成要素があるので、まったく歯が立たないことはありません。しかし、ステータスが低く、武器と武芸の幅もない序盤は難しいと感じることが幾度もありました。逆に、周回するほど簡単になっていくくらいです。高難易度ゲームとして評価するには、遊ぶほど難易度が下がるゲーム性で良かったのか疑問ですし、カジュアル寄りのゲームとして評価しようとすると、序盤で「難しくてつまらない。難易度は下げたくない」を理由にプレイを辞めてしまう人が出てしまう、もったいないバランスだと思いました。

まぁ、クリア後難易度「無双に挑む者」や挑戦要素があるので、難しいアクションを希望するプレイヤーにはそこそこ応えられていると思います。

真・三國無双ORIGINS

逆に、イージーにあたる「歴史を辿る者」でも、序盤は割と厳しいので、そもそもアクションゲームが苦手なプレイヤーにはお勧めできないと感じました。

圧倒的物量と美、美、美のビジュアル

本作のビジュアル表現としては、まずマシンスペックを活用した大兵団同士の戦いの迫力が白眉でした。特に官渡の決戦で袁紹軍本陣へ攻め込むときは、見渡す限り一面に兵士がいて、それぞれが部隊指揮官のもと個別に動いている様に感動しました。

真・三國無双ORIGINS

雑兵でもまとまってぶつかられると倒すのに苦労するので、戦いは数だということを実感もできますし、その苦境を一騎当千の働きで覆す快感も味わえました。

登場人物は、和ゲーらしいデザインの美男美女揃いで魅力的です。
女性は各陣営一人ずつと人数が少ないため、全員若い美女で統一されていますが、男性は年齢も体格もバリエーション豊かでした。

真・三國無双ORIGINS

美形キャラがみんな平均的な顔立ちというわけでなく、郭嘉は鷲鼻だし、張郃は全体が鋭かったり、ちゃんと個性のある顔をしているのも良かったです。

最終的にはキャラゲー

ストーリー、キャラクター、アクションは高評価、UI関係も文句ないゲームですが、作品自体が合うか否かは、キャラクター別の絆クエストが許容できるか否かに影響されそうです。キャラクターによっては、主人公に対しだいぶ重い感情を向けるイベントがあります。

真・三國無双ORIGINS

特に魏は、人数が多い上に恋愛ゲームみたいな台詞が出てくる割合が高くて少し湿度が高く感じました。許容範囲が広めの私でも、甄姫の絆イベントは不義密通させられてるような雰囲気があって少し嫌でした。
呉なんかは、そんなにベタベタした関係でなくて良かったんですけれどね。周泰は孫権との仲を取り持つ話だったし、周瑜なんて延々と孫策の思い出を語ってマウントをとってくるし(笑)。
とはいえ、恋愛ゲームみたいな台詞はその手の作品が好きな方には堪らない展開だったかもしれませんし、メインストーリーとは別に、キャラクター個別のイベントが複数用意されていること自体は、登場人物の理解や愛着に繋がり、とても良かったです。呂布の絆イベントフラグを発生させるために、虎牢関で呂布を倒すぞ!とか目的意識も持てました。

真・三國無双ORIGINS

結局、この辺に関しては「キャラゲー」だという面があるかもしれないと思いました。

私はおよそ3か月間、ガッツリ楽しませてもらいましたし、実は6ルート制覇後も無双に挑む者難易度の挑戦をやってみたりしています。もっと遊ぼうと思えば応えてくれるゲームです。
他にめぼしい作品が出てこなかったら、年末の「今年の一本」は確定だな、と思えるゲームでした。

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