2Dのバイク&ガンアクションゲーム「Laika:Aged Through Blood(ライカー・エージッド・スルー・ブラッド)」PS5版をプレイ。
荒野×獣のテーマが格好良いというミーハーな気持ちと、モーターヴァニアという自称ジャンルからすると、アクションと言っても探索要素が強いゲームだろうという甘い予想で買ってみたら、とんでもない高難易度バイクアクションでした。
なんだかつい最近、可愛い動物が主人公のゲームだと思って手を出したら死にゲーだった事例(2025年5月11日記事参照)がありましたが、私は動物主人公のゲームに騙され過ぎですね。
繊細かつ大胆な操作が求められる高難度バイクアクション
タイトル画面からそのままゲーム中アニメーションが始まるセンスの良さに痺れていたのも束の間、バイクに乗って動き出した途端、移動するだけで何度も死ぬ独特の操作性に苦しめられました。
(バイクが転けて魂が抜ける主人公ライカ)
100回死ぬというトロフィーがあり、その達成率で死んだ回数が逆算できるのですが、1時間もプレイしていないのに46回死んでいました(笑)。
私は乗り物操作が苦手なこともあって、普通の死にゲーアクションより遥かに難しいと感じています。コントローラー操作が難しさを増しているような気もします。
L2で加速(エンジン)し、Lスティックでバイクの向きを調整するのですが、バイクの制御を失うと一瞬で転んで死にます。ちょっとした段差をスムーズに上り下りしたり、上下の交差点で行きたい方を選んだりするだけで何度死んだか分かりません。
例えばこの場所で上の道に乗るためには、前車輪を上げておく必要があるのですが、上げすぎて仰向けにひっくり返ったり、それを立て直そうとして今度は前回転してしまったり、とにかくちょっとしたことでバランスを崩し、即死させられます。
ちなみに、姿勢を崩さなくても、道に突起物かなにかがあるとそこで爆散もするようです。
バイクとは、想像以上に繊細な乗り物なんだなと学ばされました。バイク事故が起きるのも納得です。
それでも何度もやり直せば上達するもので、移動はそこそこ問題なくできるようになったと思ったら、今度は敵集団「バード」が現れるようになりました。
敵が現れない内から死にまくっていたので、敵が現れたらより困難な道になるのは当然です。
まず、バイクの底面は無敵なので、敵の銃弾に対して底面を向けて切り抜けるのが基本になるようですが、これもうっかりするとバランスを失って転ぶ危険があります。
また正面の敵には、着弾直前にカウンター発動して弾を弾き返すという対処法があるのですが、カウンター能力は連続使用できず、「ジャンプ中に前転一回」という危ないアクションをしてリチャージしなければなりません。もちろん前転して着地が悪ければ死にます。恐怖心のせいか何回やってもうまく一回転できなくて、連続でカウンターしないと突破できない場所でまた何度も死にました。
ヒィヒィ言いつつ、最初のストーリーミッション(ヤコブを探す)くらいはクリアしたいと思って進めたところ、遂にガンアクション要素が追加。これで敵を倒せるようになったから、少し楽になるに違いないと期待したものの、やっぱりそんな甘いゲームではありませんでした。
ガンアクションでは、R2長押しでバレットタイムに入り、Rスティックでエイムして攻撃を放つ、というこれまた独特の操作が求められます。
元々エイムが下手な上に、動いているバイクの上で狙いを定めるのはスローモーション中でも難しく、チュートリアルの止まっているマトすら外す始末です。しかも現状、当てようが当てまいが連続2発しか撃てなくて、これまた「ジャンプ中に後転一回」をこなさないとリロードできません。
前転できたのも奇跡なのに、後転も必須……と気が遠くなりました。
死からの復帰が「アストロボット」並みに早いので、リトライはしやすいです。ただ死んだときにアイテムを落とすというデスペナルティがあるため、死にまくる下手プレイヤーだと、先々強化もできず攻略で詰むんじゃないかと感じます。
でもこの独特のアクションを華麗に捌けるようになったら、凄く爽快そうだという予感はあります。いまはジャンプ中の回転がまったくできないくらい、操作を理解できていない状態なので、夢のまた夢ですが。
ハードモードのストーリー
アクションだけでなく、ストーリーも大変にハードです。
ゲーム開始時に、子どもに対する暴力表現を含めた警告があったので身構えていましたが、初っ端から「主人公ライカの甥っ子が敵対勢力に捕まり、自身の内臓で磔にされる」という衝撃的な内容。しかもその現場を確認させられるので、予想以上に過酷な世界観だと慄きました。
ライカの子供も、酷い目に遭わされるんじゃないかと予想して震えています。
ストーリーミッションは主人公ライカの日記という形で振り返れるようになっていて、さらに言葉に出して描かれない部分の補完がされているようです。
子供に対する「この世で私が恐れていることがあるとすれば、それは娘が成長していくことなのだ」という心情は、自分のもとに留めて置けなくなって、この過酷な世界に飛び出していってしまうことを危惧しているのかなと解釈しました。
荒野を感じるグラフィックなど
グラフィックは線がハッキリしたカートゥーン調。
フィールド表現が特に良く、褪せた茶系の色味で統一されているせいか、乾いた世界観が表れていて大変美しいです。走るバイク、はためくフラッグなど、アニメーションも滑らかに動きます。
返り血を浴びると全身血で染まるらしく、美しいグラフィックだからこそ凄惨さの表現も余念がありません。
少し気になったのは、全体に引きの絵である点です。
近いとマップの全貌が見えなくなるから、今くらいがプレイ上適切なのだろうと思いますが、キャラクター造形が分かりにくいのは少しもったいなく感じました。敵兵のバードも含めて衣装の装飾まで細かく描かれているようだし、拡大して見たくなります。
ローカライズは丁寧で、特に不満はありません。
何度も書いた通り操作性は独特だけれど、UIには問題なし。
アクションのチュートリアルは一つずつ課題を増やしていく作りで、だんだん組み合わせが必要になる辺り、よく練られていると思います。ただ、課題攻略に失敗してリスポーンすると、また同じ操作説明が表示されるのは邪魔に感じました。再表示しない、みたいな設定があれば良かったと思います。