大崎梢著「配達あかずきん −成風堂書店事件メモ−」
本屋で起こった小さな謎を描いた「日常ミステリ」短編集、成風堂書店事件メモシリーズ第1弾。
ミステリは不得意な私ですが、多少の事件はあっても死人が出ない本作は楽しく読めました。
また、ミステリであると同時に、お仕事小説ジャンルでもあるんですよね。私も就職試験の時には書店含む出版関連を何社か受けましたので、もし書店に勤務していたらこんな風に仕事していたのか、と
ワトソン役の主人公・杏子とホームズ役の多絵がいいコンビな他、脇役たちも好感が持てるキャラクターでした。
この1冊には5作収録されていますが、それがすべて毛並みが違う物語なのが凄いです。本好き・書店好きならば、どれか一つは好みに合うのでは。
ただし私の場合は、1話「パンダは囁く」が最高ヒットで、以降順番に面白さが下がっていった感があったのが残念でした。5話目の「ディスプレイ・リプレイ」は、犯人もオチも見えてましたしね。
でも、4話目の「六冊目のメッセージ」は、登場する本が読みたくなる良いお話だと思いました。ちなみに、麻生が読んだことのある本は「宙の旅」「夏への扉」で2勝3敗でした。