沢村凜著「黄金の王 白銀の王」

同じ作者の「瞳の中の大河」の場合、面白かったけれど読後感がスッキリしなかったのに対して、この作品は気持ちよく最後のページを閉じられました。
戦記物、政治物、友情物、夫婦話といった色々な側面が含まれているので、それぞれの点で先が気になり、飽きずに読み進めました。

自分なりの生きる「役割」を果たそうと生きる人の話が大好きなので、とても良かったです。
「瞳の中の大河」の主人公アマヨクの場合は、一軍人なのに自分の信念を貫こうとしすぎだと感じましたが、今作の主人公2人はどちらも一族の頭領であるため、国全体の為に苦悩する姿が納得できました。
キャラクターとしては、薫衣に多少の敗北感を覚えつつも、深謀遠慮で一歩ずつ理想を追い求める穭と、その妹にして薫衣の妻となる稲積に惹かれました。頭領の血を引く者として、最初から覚悟があって、そのくせ薫衣に絆されて可愛いところも見せてしまうところが可愛いのです。
そんな鳳穐側に比べると、薫衣は最初は子供だけれど超人的に描かれていたように思います。

ところで、単行本と文庫は表紙イラストの雰囲気がまったく異なるんですね。
どちらの絵もそれぞれに魅力はありますが、作品とは合っていないような気がして、それだけ残念でした。

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