五十音順キャラクター・ショートショート【な】
→ルールは2012年12月17日記事参照
なんでも願いが叶う、幸せな世界。
そんな夢のような世界は、文字通り、夢の中にしかない。
ナナリーは一度だけ、消えゆく夢の世界を振り返った。幸せそうに笑う人々が、果物をたくさん付けた木々が、弟が立っていた砂の一粒まで、光に溶けていく。
彼女が選んだのは、絶対の幸福が存在しない現実だけれど、あの夢――弟の笑顔、自分を呼ぶ声、食べ切れないほどの料理を二人で頬張る喜び。そこに幸せがあったことは、決して否定できない。
だから、この夢は忘れない。限りない愛と幸せと、戒めと共に。
涙の出る夢
……ナナリー=フレッチ(ゲーム「テイルズオブデスティニ−2」)
ナナリーとしいなは「喧嘩ップル」「姉御肌」「自分のせいで身内が死亡(または昏睡)した負い目がある」という要素から、つい同じような語り口で書いてしまいそうになります。
でも、ナナリーの方がドライで、しいなの方がウェットな印象です。たぶん、ナナリーは暑い国で生まれ育ったラテン的人種だからでしょうね。
それにしても、主人公も敵方も「すべての人間が幸せになる方法は現実世界に存在しない」と結論付けるTOD2は凄い。私は創作の中でくらい、幸せにしたくなっちゃうので、そう思います。