- 分類読書感想
河島みどり著「ピョートル大帝の妃 -洗濯女から女帝エカチェリーナ一世-」
ロシア近代化の父・ピョートル大帝の妃で、後にロシア初の女帝となったエカチェリーナ1世(マルタ)の生涯を綴った作品。
あのエカチェリーナ2世がロシア人ではなかったことは知っていましたが、1世もロシア人でなく、しかも口べらしの為に家を出されるくらい貧しい庶民の娘だったということには驚きました。
それが、皇妃に上り詰めるまではともかく、夫たる皇帝が亡くなった後、帝位についてしまうとは、とんでもない展開。
ロマノフ王朝って、実に面白いですね。
本著において、エカチェリーナ自身は、特別に政治的信念を持ち合わせていなかったとされており、事実帝位就任後はなにも成さないまま終わってしまうので、為政者の物語としては物足りないです。しかし、波瀾万丈のドラマチックな人生は読み応えがありました。