荒木源著「オケ老人!」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
中島明彦は、実力派アマ・オケ「梅が岡フィルハーモニー」と勘違いして、老人ばかりで1曲弾き切る事もできない「梅が岡交響楽団」に入団してしまった。同情と見栄で嫌々老人たちに付き合う中島だったが、下手なりに真摯に演奏する老人たちに感化され、音楽を楽しむことを思い出す。

楽しい読書でした。
あらすじで書いた2つのアマチュア・オーケストラの確執に、なぜか同時進行でロシアスパイによる日本諜報活動の話が展開し、実際は二つの話が絡んで緊張感のある大団円を迎えます。
最初、ロシアの謀略話は必要か?と思ったけれど、このエピソードがあることで、只の弱小チーム成功物だけでない奥行きがあるのかも知れません。

リアリティはまったくありません。コメディであり、ファンタジーです。現実感のなさが気に入らない方にはおすすめできませんが、私としては、最終的に「悪い人間はいない」という優しい世界が、とても清々しかったです。

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