昨年末に宝塚月組が小劇場公演で行ったミュージカル版「メリー・ウィドウ」が大変良かったので、原作であるオペレッタ「メリー・ウィドウ」を聴いてみました。
ひとつは、二期会が演じた「メリーウィドウ」のライブCD。
増井信貴と松尾葉子の指揮で、東京交響楽団による演奏。
カミーユ役として若かりし頃の錦織健が出演しています。ゲーマーとして勝手に仲間意識を持っているので、ちょっと嬉しかったです。歯切れがよく、重々しくなりすぎない声なので、役柄にもマッチしてる気がしました。
もうひとつは、「ドイツ・グラモフォン・コンプリート・レコーディング」(240枚組!)のDISC96番&97番。
こちらはカラヤン指揮、ベルリン・フィル演奏という鉄板商品です。
歌はドイツ語ですが、解説書に歌詞が載っています。
演奏や録音状態は後者の方が良さそうですが、両方を聴いた後、もう一度聴こうと思えたのは、二期会のライブCDでした。
理由は割と単純で、「日本語だから理解しやすい」という点。
また、メリーウィドウの楽曲は、メロディラインは優美だけれど、どこか明るく親しみやすいテンポ感があるので、ライブCDという方式があっているのでは。途中で拍手等も入っていますが、それも気分を盛り上げてくれます。
ちなみに、二期会の方のみ、第三幕にカンカン用の挿入曲(オッフェンバック「天国と地獄」)がありました。
カンカンを取り入れていた宝塚版は、二期会の公演を参考にしたのかもしれません。
原作だと、ヴァランシエンヌはカミーユの口説きに蹌踉めかないのですね。元恋人という設定もないようです。結果、カミーユという人間の性格も一貫していました。
また、ダニロもカミーユの相手がヴァランシエンヌだと知らないんですね。それで、扇子の持ち主を捜すエピソードに繋がるのか、と腑に落ちました。
ただ、不貞を疑ったツェータが、扇子に書かれた「私は貞淑な人妻です」という文句で妻を許す下りは、どの版もいまいち納得できないのでした。