碧野圭著「書店ガール」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
書店の副店長・理子は仕事に誇りを持つ優秀な書店員だが、今時の後輩・亜紀とうまが合わず、亜紀の結婚と自身の失恋が重なったこともあって関係が悪化する。やがて理子は店長に昇格するも、それは閉店前の繋ぎ人事だった。落ち込み、同僚からも裏切られた理子だったが、書店をなくしたくないという亜紀と協調し、経営を見直して収益を大幅に改善させることに成功する。

女の敵は女、でも女の味方も女。そんなことを考えながら読みました。

だいたい展開は読めるシンプルなストーリーですが、途中ビックリするくらい泣けました。
主人公・理子は、やっかみや偏見など嫌なところもある女です。亜紀との衝突は、改革派と保守派の対立という感じで、どちらの言い分も理解できるだけにスッキリしません。でも、彼女たちの短所がリアル感を生んで、後半の展開で応援する気持ちを生むのかもしれないと思いました。
また、彼女たちを応援してあげなくちゃ、と思うくらい、周囲の男性が嫌な奴だったと判明するんです。
棚差の本の設置の仕方だとか、ポップや本屋大賞の話など、本屋のバッグヤードものとしても勉強になったけれど、「女性と仕事」というテーマの作品として面白く読めました。

余談ですが……「BL妄想ができる作品が売れる」という下りがあり、一般小説でこういう話が語られる時代なんだな、と申し訳ない気持ちになりました。

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