「栞子さんの本棚 ビブリア古書堂セレクトブック」

「ビブリア古書堂の事件手帖」で名前が登場し印象に残った「せどり男爵数奇譚」が収録されていると知って手に入れました。
が、一部抜粋収録だったのでした。
失敗した!と思ったけれど、よく考えたら「それから」等が入ってる時点で、さわりだけ集めた本だと気付くべきでしたね。
もともと短編である「ジュリアとバズーカ」「落穂拾い」「道化の華(「晩年」収録)」「たんぽぽ娘」は全文収録されています。

一部抜粋作は、本当に数ページ、雰囲気に触れられるだけなので、短編の感想だけ記載しておきます。

アンナ・カヴァン「ジュリアとバズーカ」

私の肌には合わない作風。作家自身の孤独と病んだ精神を切り売りされた印象。ただ、所々に惹き付けられるフレーズもありました。

小川清「落穂拾い」

これも自分では読まないタイプの作品。淡々とした日常の光景が描かれる中で、人のつながりを考えさせられました。

ロバート・F・ヤング「たんぽぽ娘」

これはとても良かったです。三読して満足しました。職人技のSFだと思います。

例えばドラマからビブリア古書堂に触れた、日頃小説は読まない方の「各作品に軽く触れてみたい」というニーズを想定してるのかしら。
そう考えると、企画としては巧い内容だと思います。
しかし、この本で抜粋を読み、続きが読みたくなったとして、それが絶版本だった場合どうしたら良いのかという問題はありますね。

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