童門冬二著「新撰組 山南敬助」

1975年の復刻版小説(2007年発行)。

新撰組小説の中でも、山南敬助が主役というのは珍しいと思って読んでみました。
脱走後から回想して、八・一八事件の辺りに戻り、最後は切腹で終わり。岩城升屋事件の話は割愛されているため、山南の怪我は描かれず、あくまで土方との思想対立が主でした。

山南が抱く諦念はなかなか面白いと思ったのですが、作者が考える脱走の理由は明確には伝わってきませんでした。読み手に委ねられている感じだけれど、そこを描くのが、あえて山南を描く理由だと思っていたので、少し物足りなかったです。
また、個人的には、山南はもう少し武闘派な側面もあったと考えているのですが、そういうものは描かれていませんでした。
そういった点も含めて、意外と軽く読める作品でした。

コメント

  • コメントはまだありません。

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メール
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー
(スパム対策に 投稿キー を半角で入力してください)