真保裕一著「アマルフィ 外交官シリーズ」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
ローマに派遣された外交官黒田は、邦人女性・矢上紗江子の娘まどかが誘拐された事件に対応するが、身代金受け渡しに失敗。大使館も警察も信用しない紗江子の独自捜査に協力するうちに、大手警備会社へ辿り着くが、実はそれこそ犯人の狙いであり、セキュリティデータがハッキングされてしまう。真相に気付いた黒田は、犯人のテロ対象を護り、まどかを救うと、次の任務地へ旅立った。

映画未見。
予告映像は見たことがありますが、あまり主人公のキャラクターと織田裕二氏はダブりませんでした。
アマルフィとは、地名だったのですね。寡聞にして存じませんでした。
そして、紗江子の思い出の地であり、作中で訪れる場所であり、犯人達の作戦名でもあり、だから題名になるのだという事もわかったけれど、それでも正直このタイトルには魅力を感じないと思いました。
wikipediaで調べてみたら、映画版シナリオはだいぶ違うんですね。あらすじを見た限りでは小説版の方が断然面白そうですが、映画の目的が「観光映画」だったなら納得。ただ、なぜ日本がイタリア観光映画を作らなきゃいけないのか分かりませんけれど。

かなり分厚い小説でしたが、サクサク読めるので、厚みは感じませんでした。
基本的には敵も味方も有能だという点も、読みやすい理由でしょうか。

あまり読まないタイプの作品ですが、推理、ハードボイルド、社会派といった多様な面がある娯楽小説として、普通に面白かったです。
でも、犯人の計画はかなり遠回りですよね。巧くいったから「巧妙」と称されるだけで、紗江子がここまで働き者じゃなかったら、期日までに辿り着かなかった可能性もあり、いささか行き当たりばったりな気がしました。

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