阿川佐和子著「スープ・オペラ」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
独身女性のルイは、育ての親である叔母が恋人を追い掛けて家を出てしまった後、ひょんなことから、初老の画家トニーと年下男子の康介と共同生活をすることになった。それぞれとの関わりや衝突の末、人の人の繋がりの中で生きることの大切さを感じる。

スープご飯を食べたくなる作品。

はっきりしないルイにイライラし、それ以上に、身勝手で図々しい同居男性2人にイライラし、と途中まで評価が悪かったのですが、最終的にはいい関係性だと思えたので、意外にも読了感は良かったです。
トニーさんはルイの生き別れの父でなくても良いし、康介が恋人や結婚相手にならなくても良い。
曖昧な関係は曖昧なままでも生きて行くのに問題なく、ただ人の繋がりがあることが素晴らしい、と再確認できます。

横暴な作家に関するエピソードが、最初は康介との出会いのためのシーンと思いきや、アクセントとして後半生きてくるのが良かったです。

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