池波正太郎著「剣客商売」

【あらすじ】
隠居して悠々自適の生活を送る老剣士・秋山小兵衛が、息子・大治郎等と共に、身の回りで起きる様々な事件を解決していく。

TVドラマ版を視聴しているので、馴染みのある作品。
ドラマ版も十分面白いけれど、テレビ向けに簡略化されたり、一部の要素を強調していたことがよく分かりました。原作の方が、より一層の深みがありますね。
ビジュアル的なイメージは、どうしても小兵衛@藤田まこと、大治郎@山口馬木也(第4シリーズ以降)で脳内に再現されるのですが、池波先生自身は、中村又五郎(二代目)を小兵衛のモデルにしていたのですね。藤田版より、もっと好々爺なイメージでしょうか。

池波正太郎といえば時代劇の大家ですが、読んでみると、文章的にはセリフが多いし、キャラクター造形にはマンガ的わかり易さがあるので、かなりライトに感じました。
三冬さんなんて、「男装の女剣客で、主人公以外にはツンデレ男嫌い」と纏めてしまうと、普通に萌えキャラですね。
この、構えずに読めて、気楽に続刊も読もうと思える辺りが、巧さなのかもしれません。

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