新井素子著「結婚物語」

【あらすじ】
とぼけた恋人たちが、両家への挨拶から結婚式までを、恥ずかしさに耐えつつ行う姿を描いたエッセイ風小説。

30年以上前の結婚観がわかるという点で、結構貴重かもしれない作品。
家と家の繋がりは今でも重視されることが多いけれど、嫁に行く=実家から離れるという意識は、だいぶ希薄になったのではないでしょうか。
こんな面倒な思いをしながらよく結婚しようと思えるな、と感じてしまう私は、やっぱり結婚できない女だと改めて自覚しました。

物語しては、起承転結の「起」だけで構成されたような内容なので、毎回斜めの方向に飛んでいってしまう会話や、突っ込みを楽しむ感じ。個人的には、陽子ともたーさんとも気が合わず、笑うよりイライラしてしまうこともありました。
なお、主人公が小説家ということもあり、言葉の間違いを指摘するエピソードが時折挿入されます。その中に、ブライダル関係者の「お嫁さま」という呼び方を変だと笑うエピソードがありましたが、そんなに変な日本語か?と思ってしまう現代日本人なのでした。

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