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宝塚月組「PUCK(パック)/CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-」15:30回・セゾンUCカード貸切。

貸切のため、観劇慣れしていない客が多く、盛り上がりきらなかった感があります。もっと拍手を入れてあげれば良かったな、と思う反面、私にはあれが精一杯でした。
終演後のトップスター挨拶は定型文でしたが、いきなり貸切会社である「セゾン」を噛んでしまい、2回目は気を付けてゆっくりハッキリ言っていたのが地味にウケていました。

まず、ミュージカル「PUCK」。
「真夏の夜の夢」をモチーフとした、小池修一郎先生オリジナル作品。いい芝居だけれど、宝塚らしくない作品で、「アニー」みたいな、ファミリーミュージカルでした。
……等と言いつつ、実は途中で泣きました。場面は、人間界に落とされたパックが1年間働いて豆だらけになった手をハーミアから感謝されるシーンと、ラストの再会。今まではパックだけが二人のことを覚えていてハーミアを見守っていたけれど、今度はハーミアだけが覚えていてパックを見守っていくのだろうと思うと、なんとも言えない切なさと、それでも一緒に歩んでいける幸福に浸りました。
基本的にはコメディなので、大笑いはなかったけれど、楽しく観劇できたのも良かったです。
小池先生にしては演出が普通だったけれど、ダニーの歌が「オーシャンズ11」のベネディクトを彷彿とさせたり、敵企業のテーマはエコだったり、22年前から変わってないなと思うところもありました。
喋ってはいけないパックが「PUCK」と書いて「プック」と認識されてしまうのは面白かったな。

パック@龍真咲は、あまり男役トップスターらしからぬ子供っぽい役でしたが、似合っていました。いつもより素直に歌っていたのも好印象。
ハーミア@愛希れいかは、ピュアな少女という雰囲気が良く出ていました。それに、仕事に従事する姿が美しいのが素晴らしいですね。ウェディングドレスで岩をよじ登る後ろ姿に至っては、実に男前でした。
ダニエル@美弥るりかは、やはり低音の声が魅力的。歌も十分巧くなったし、姿も格好いいし、好きだと思うのですが、同時になにか足りないものも感じてもどかしいです。ビリヤードのシーンは、「我々も上達しましたね」等と褒め合っていたのに、最後の一打を外しました。
ライオネル@凪七瑠海は、少年時代の少し舌足らずな感じが凄く可愛かったです。こういういい人の役がハマりますね。
ボビー@珠城りょうは、最初は似合わない気がしましたが、結構はっちゃけていたし、時折見せる素の真面目そうな雰囲気が、ボビーの誠実感に繋がっていて、これもアリかなと思いました。
ヘレン@沙央くらまは、わざと甲高い声で喋るので少し聞き取りづらかったのが難点。大人になってからは結構美人だと思いました。かなり、個性的な子ではありますけれどね(笑)。

続いてショー「CRYSTAL TAKARAZUKA-イメージの結晶-」。
色彩がごちゃごちゃしていて疲れました。衣装はどれも良かったのに、舞台装置の電飾が無駄に使われて、視覚的にうるさかったのです。
プロローグは、客席降りもあるので盛り上がりました。2階席にもちゃんと来てくれたし、下手先頭の男役が非常にフレンドリーで、帰りは客席とハイタッチまでしていました。また、ガンガン目線を飛ばすやる気に溢れた男役もいて、なんだか面白かったです。非常にキレの良い動きをしていたけれど、誰だったのかな。
「シンデレラ」は、男女共にシンデレラだったというオチが良かったです。原作より好きかもしれません。
逆に「ホフマン物語」をテーマにした「ドール・オペラ」は、オランピアが人形に戻ってしまうというオチに、収まりが悪く感じました。人形たちが陳列されているシーンの妖しい格好良さや踊りに迫力があっただけに残念でした。
スパニッシュ調の中詰め「エストレージャズ」は、芝居で封印していた龍の癖のある歌声が絶好調。私は、いつも苦笑いするけれど、嫌いじゃないです。
全体的に、珠城のソロが多く、よく使われていた印象です。あまりスターらしい煌めく印象はないのですが、押し出しは良くなってきた気がするし、磨けば大スターになる可能性は秘めていると思うので、なんとなく応援しています。
大海へ流れて行く「しずく」は、2階席推奨の大人数群舞で、渦を作るシーン等に迫力があったけれど、1階からはどう見えるのか少し心配になりました。
男役の黒燕尾群舞は、宇月颯がダンサーらしく決まっていて格好良かったです。

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