TVアニメ「アルスラーン戦記」1話「エクバターナの栄華」
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遂に放送開始。さすがに、初回だけあって作画が安定していましたね。EDだけガラッと画風が違って驚いたけれど、アルスラーンが若干女性的に描写されている以外は面白かったと思います。ナルサス1枚絵で、盤上のコマの1つが地味にダリューン型だったのは笑いました。
色使いは上品で、地味かもしれないけれど質実で綺麗です。
背景美術も綺麗だし、音楽も良い。
動きはデジタルを駆使していましたが、戦争シーンはカメラワークも頑張っていて、予想より迫力がありました。兵士だけ3Dの箇所があって、さすがにそこは違和感がありましたが、減点はそのくらいかな。
以上、映像と音に関しては、私の期待値を超えてきた感じで、来週以降の視聴も楽しみになりました。

話の展開には、少し物申したいところがあります。

1話は、漫画版の1話をほぼそのままアニメ化した内容でした。
(漫画版1話は、漫画版オリジナルの原作前日潭)
タハミーネとアルスラーンが顔を合わせるシーンが偶然ではなく仕事上のものに変更されていたり、細かい台詞回しや順番は違ったと思いますが、基本的には漫画版がそのまま動いている、という印象を受けました。
私は、この漫画版第1話について率直に語ると「背景説明としては優れているが、第1話としての訴求力に欠けている」と思っています。
パルスという国やアルスラーンを取り巻く家族、部下の説明力はできているし、後から見れば繁栄し平和なパルスと占領後のパルスという落差を強く感じるけれど、それは数話経ってからの効果であって、取り敢えず新アニメだからと1話だけ見た視聴者に「翌週も見ないといけない」という思いを掻き立てることはできていないと思うのです。
なんせ、物語はなにも始まっていない。
それにこの3年前のアルスラーン殿下は、自分が死ぬ可能性すらあったというのに、危機感が薄く、キャラクターとして魅力に欠けると思うのでした。可愛い可憐な主人公でも良いけれど、感情移入くらいはさせて欲しい。
まぁ、最後に初陣とアトロパテネの会戦に関するナレーションがあるだけ、次話で話が動くと印象づけられているから、良いのかな。

独自の用語については、字幕でも出すかなと思っていましたが、突撃開始(ヤシャシーン)はそのまま読み、奴隷(ゴラーム)は日本語を採用、という感じで折り合いをつけていました。
雰囲気が伝われば良い単語は読みを、意味が分からないと登場人物たちの会話が理解できない単語は日本語を、という取捨選択でしょう。
その他独自要素として、地図上で情勢説明があるのは、いかにも戦記物らしくて良いと思いました。

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