南原幹雄著「付き馬屋おえん 暗闇始末」

【あらすじ】
美女だが許嫁に裏切られ行き遅れたおえんは、その元許嫁が吉原で代金未納の上、花魁を騙して金を奪ったと知り、客からの取り立てを代行する「付き馬屋」の仕事を始める。

「付き馬屋」という珍しい職業を題材にした時代物ということで興味を持ったのですが、やっていることは「借金の取り立て」なので、かなりヤクザな仕事でした。
阿漕な客がほとんどですが、第二話「爪の代金五十両」は客を騙した花魁の方が嫌な女ですし、客の弱みが見当たらなかったので、以前妹を手込めにした悪党を連れて妹の結婚式に乗り込んで強請る、という酷いやりかたで金を取ったのは鼻白みました。
また、客が悪党であっても、自分が請求する分の金さえ払ってもらえば悪事自体は見逃すわけなので、仕事上当然とは言え、ちょっとスッキリしないですね。
最近の作品は正義を通す主人公が多いように思うので、これは時代的なものなのでしょうか。
また、相手の裏を暴くまでは非常にゆっくりなのですが、オチが割と急に来て話が突然畳まれるので、もう少しパターンが欲しい気がしました。

主人公おえんは、美人な上に、立ち回りをすれば強く、気風もいいというスーパーウーマンで、彼女が気持ちよく仕事をしている姿は楽しく読めました。

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