畠中恵他著「作家の放課後」

新潮文庫作家陣による、22編の体験エッセイアンソロジー。
体験といっても、お茶会やそば打ち等のいかにも体験教室らしいものもあれば、断食、散策や古本屋巡り、工場見学的な内容まで、バラエティに富んでいます。
裏表紙の紹介文には「爆笑エッセイ」とあったけれど、全体的には真面目なレポートが多かったです。とは言え、やってみたいと興味を持っていた分野であれば、作家が熱く語っていて面白いし、そうでない場合でも多くはレポートとしてキチンと纏まっています。

良かったのは、万城目学「高みをめざす」(ロッククライミング)と森見登美彦「この文章を読んでも富士山に登りたくなりません」(富士登山)。どちらも、ちゃんとオチが付いたお話になっていて面白かったです。
体験談としては、西加奈子「占いいかがでしょう」(占い)は、占いに対する分析や良い捉えかたが素敵だなと思いました。

逆に、退屈だと思ったのは青山七恵「浴衣と私の新しい歴史」。
読んでいて企画に対してやる気を感じないし、もし実際はやる気があるとしても物臭過ぎます。浴衣を作って着ようという企画なのに、途中で投げ出して先生に作って貰うという時点で、私とは性格が合いませんでした。

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