TVアニメ「アルスラーン戦記」10話「カシャーン城塞の主」
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まず、今日の作画は、安定して綺麗で安心しました。
絵が綺麗な分、ナルサスの無表情・無言の佇まいが怖かったですね。
お話としても、アルスラーンが奴隷解放を掲げることを決めたけれど、それが奴隷にとって必ずしも善ではないというところまで1話で盛り込んであって、良い流れだったと思います。台詞や説明は相当削られているけれど、大筋の理解を妨げるほどではないと信じておきます。まぁ、Cパートを設けるより、その分の尺を本編に入れて欲しかったとは思います。
個人的には、先週盛り込んだ漫画オリジナル要素「エトワールから受け取った聖書」を放置しているので、それくらいは入れて欲しいです。
ホディールの立場に立ってみれば、奴隷が多数いるエクバターナにいたはずの王太子が、奴隷解放なんて言い出していて、その側には奴隷解放派のナルサス卿がいるとなれば、「殿下はナルサスの傀儡になっている」と思い、手を打とうとするのは当然の流れだと思います。
実際、ナルサスがいなかったら殿下は奴隷解放を掲げていないし、ホディールの考え自体はハズレでもない。
ただ、殿下を懐柔するだけの話術と、交渉決裂した時のリカバリー能力がなかったのが、ホディールの不幸でしたね。
バルコニー伝いに部屋を移る殿下の行動力には、ちょっと驚かされました。
ギーヴが宴で摘んでいる料理がそら豆に見えたので少し確認してみたら、実際に、中東ではそら豆をよく食べるのですね。そら豆が食べたくなってきました。
「正義とは太陽ではなく星のようなものかもしれません。星は天空に限りなくありますし、互いに光を打ち消し合います」は、あらゆる状況に転用できる名言ですね。
“自分の正義”が唯一絶対でないことを、すべての人が心に留めれば良いのにと思います。
ちなみに、そんな感じで殿下の教育係を務めるナルサスですが、アニメEDのカットを見るたびに、ソードワールドの「“指し手”ルキアル」のイメージもこんな感じだろうか、と思います。同じ「天才軍師」でも、ナルサスは主人公側の軍師なお陰で、有能でいられますね。
エンドカードは大今良時先生。繊細なタッチで描かれたアズライールが格好良かったです。