伊達雅彦著「傷だらけの店長 街の本屋24時」(文庫版)

書店の店長の怒りに満ちたレポートでした。
本屋という仕事の苦労と、それが周囲に評価されず、給料にも反映されない苦しみ。壮絶なのは確かですが、ことさらに苛ついたり怒ったりしている姿に、一々卑屈になって生き難い人だな、と思いました。

この作品は、他人に読ませて、どう感じさせたかったのでしょう。
本屋は大変だと知らしめたいならそれは十分伝わりましたが、それで良いのでしょうか。
そんなことを疑問に思いつつ読んだので、後書き以降に収録された、解説(石橋穀史)ないし寄稿文(田口幹人/笈入建志)の方は、これからの本屋への展望を語っていて、少し安心しました。

ところで、私は本屋は大好きですが、書店員とレジ以外で口を聞いた経験がありません。天の邪鬼だから、手書きポップで紹介されている本は「今売れている本だ」と思って避けるようにしています(笑)。
だから、最終的にはAmazonなどのネット通販に行き着いてしまうんですよね。本屋の空気感は好きだけれど、書店員の個性が必要なのかと問われると、それより品揃えに一票入れてしまうかなぁ……。

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