宝塚月組「1789 ーバスティーユの恋人たちー」11:00回を観劇。
役替りはCパターン(オランプ:海乃美月、ソレーヌ:花陽みら)。残念ながら、晴音アキのソレーヌは見られませんでした。
今回のオランプ@海乃美月は、さすがに若手実力派といわれるだけあって、そつなく巧いですね。特に、ロナン@龍とのデュエットでは声の相性が良くて、ちょっと唸らされました。
その他、全体的に大人数のシーンが多く、目がいくつあっても足りません。
目を増やすことができない以上、観劇回数を増やすしかないのですが、それは叶いませんでした。
よって欲望に忠実に、今回はダントン@沙央くらまと、シアターガイドのインタビュー記事を読んで以来お気に入りの、トゥルヌマン@輝月ゆうまとロワゼル@朝美絢の秘密警察凸凹コンビに注目しました。
ダントンは、革命側で唯一の三枚目寄りという要素もあって美味しいですし、面白いことを言っているわけではないのに笑わせられる「間」の取りかたがやはり好きだと思いました。
ロワゼルは上司のラマール@紫門ゆりあ共々可愛いけれど、愚鈍なのに悪の雰囲気があるトゥルヌマンのキャラクターが好みです。
私の場合は、1回目を見て非常に気に入ったので、2回目までの間が長くて辛かったです。
結局、その間はフランスオリジナル版「1789 Les Amants de la Bastille」について色々勉強してしまいましたよ。
オリジナル版は確かに「スペクタキュル」。ただ、振り付けも含めて好きな、第8場A「ムニュ・プレジール館」(三部会)のシーンは、オリジナル版にはないようだったり、宝塚版は分かりやすく、よりドラマに入り込めるような潤色がされているなと思いました。
また、宝塚版「1789」の感想も各所で拝見しましたが、主に主演者への好悪に準じて評価もくっきり割れていると感じました。私は、あの「なんでも自分流にしてしまう個性」も一つのスターの在り方だと思っているので、評価は緩いのかもしれません。
だから、とても面白い公演だったし、東宝版への期待も生まれました。欲を言えば、アントワネットは東宝版も愛希れいかで演って欲しいくらい、愛希アントワネットを愛しておりますが……。
最後に余談。
ロナンは作中一番貧しい人物のはずですが、やはり宝塚の主役なのでお着替えはあります。
バスティーユ襲撃時の衣装(ポスターにも使用)は、農民の服にしては豪奢だし、それ以外の服装とは少し趣味が異なる印象なので、革命家3人組の誰かのお下がりなんだ、と勝手に脳内設定が動き始めました。
お下がりを持ってきそうなのは、3人組で一番裕福且つソレーヌとの関係があるダントンかな、と思うのですが、ロナン@龍とダントン@沙央では体型が違うため、試着したロナンから「このズボン裾足らずなのか?」「腰回りが緩すぎてズリ落ちるんだけど、どう着るの?」などと言われて「くそー!」とのたうち回っている姿が目に浮かびました。
よって「兄弟のように迎えて」と宣うデムーラン先生のお下がりということにしておきます。