映画「清洲会議」を観ました。
→小説版の感想は、2013年4月7日記事参照

豪華キャストによる時代劇。
小説版を読んだ時点で、正直、このお話をそのまま映画化して面白くなるとは思えませんでした。
そして映画を見て、結局、なにを語りたい作品なのか分からないと思いました。
秀吉の機を見るに敏な姿から、世渡りを学ばせる? 長秀の苦悩に共感してもらう? 女の怖さを知らしめる? それとも、単純に笑わせたい?
台詞の応酬等が一切合切面白くないわけではないし、清洲会議というものを軽く学ぶ教材としては良くできていると思います。しかし、盛り上がる山場がどこだったのか曖昧で、中途半端な印象を受けます。
また、映像ならではの面白さが薄いことも気になりました。
小説版を読んだ時に、猪狩りは滑稽に描き過ぎだけれど、映像ならドタバタアクションで面白いかも、と思っていたのですが、映画ではこの下りが旗取り競争に変えられていました。確かに、日本で猪狩りなんてロケできないのでしょう。でも、それで代案が旗取り競争ではインパクトが弱過ぎませんか。柴田等の重鎮が旗取り競争などするのかという違和感や、旗取り程度で信孝が後継者候補として名を挙げ、本人も満足しているのが変だと感じてしまいました。

そんなわけで脚本と演出は色々疑問でしたが、さすがにキャストは素晴らしかったです。
秀吉@大泉洋はおちゃらけの裏の酷薄さが出ているし、柴田勝家@役所広司も意外に勝家の風格がある。丹羽長秀@小日向文世は苦労人らしさが出ていてピッタリでした。
池田恒興@佐藤浩市や織田信雄@妻夫木聡は、言動だけならウザくなる面もあるのに非常に可愛く感じたし、寧@中谷美紀は陽の部分で光っていました。前田利家@浅野忠信は、利家にしては格好良過ぎるくらい。
織田信長@篠井英介、織田三十郎@伊勢谷友介、織田信孝@坂東巳之助の織田家勢は、血筋を感じる骨格で凄いと思いました。
ちなみに、武将達が総じてカリカチュアされていることは、コメディだと思っているから気にせず楽しめました。
ただ、誰がどの武将か説明なくどんどん登場するので、ある程度清洲会議に対する知識がないと分かり難いのは難点。「きゅうきゅう」=「久太郎」=「堀秀政」に直ぐ気付けず、どうでも良い箇所で「これは誰だっけ」と悩んでしまいました。

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