有吉佐和子著「青い壺」

青磁の花瓶が、人々の手を渡り歩いていく連作短編集。
少しヒヤリと背筋を凍らせる話もありますが、とにかく人間が描かれています。特に、妙齢のご婦人たちの描写が生き生きと濃厚で素敵です。
どうやって他の人の手に渡っていくのか、ワクワクしながら読みました。
私としては、七話・八話の、戦中に想像のフルコースを食べる夫婦と、それを再現する息子夫婦のお話が好きです。キャラクター単体では、その後の弓香お婆ちゃんも面白い。
大きな事件が起きることもなく、淡々と地味な話なのにここまで読ませるのは、さすが有吉佐和子でした。

コメント

  • コメントはまだありません。

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メール
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー
(スパム対策に 投稿キー を半角で入力してください)