- 分類読書感想
伊藤たかみ著「八月の路上に捨てる」
- 八月の路上に捨てる
- 貝からみる風景
- 安定期つれづれ
の三作を収録。
芥川賞受賞の表題作は、個人的に響くものがなく、どう読んで良いかわかりませんでした。
自動販売機の補充仕事という職業話としては、知らない職を垣間見れて面白かったですが、結婚から離婚に至る主人公の回想は、主人公が女々しい男で、妻も重い女で、どちらにもイライラして終わりました。
2作目は、「お客様の声」に投書された存在しない菓子「ふう太郎スナック」から広がる想像が面白かったです。
3作目は、ホッとする最後でした。主人公は作中の30日をかけて禁煙したけれど、読者としては、その間中吸い込み続けたタバコの煙を、最後に大きく吐き出せたような気持ちになる読了感でした。