- 分類読書感想
池部良著「風の食いもの」
食べ物にまつわるエッセイ。
連載の筈ですが、何度か同じエピソードが語られることがあったり、そうでなくとも、何処其処で振る舞われた料理が不味すぎて失神しただとか、似たような話が多いです。
そのため、クドく感じることがありました。
でも戦地での食事話は、どれも面白かったです。食べ物の怨みは恐ろしいですね。
また、文章自体は、1話が5ページ程度で簡単にまとまっているのと、語りが江戸っ子のリズムで心地よく、サクサクと読めます。
嶋中労著「コーヒーに憑かれた男たち」
日本における自家焙煎珈琲の世界を描いたルポルタージュ。
銀座「カフェ・ド・ランブル」の関口一郎氏、南千住「カフェ・バッハ」の田口護氏、吉祥寺「もか」の標交紀氏への取材を中心に、難波の喫茶店「なんち」襟立博保氏についても触れています。
彼等が信ずる深煎りコーヒーやオールドコーヒーの是非はともかく、1つのものに情熱を傾けている姿というのは、やはりどこか惹かれるものがあります。こんな世界があるのかと学ばされ、読んでいて面白かったです。深煎りコーヒーを一杯、飲んでみたくなります。狂人レベルの頑固職人ばかりなので、田中護氏以外は知り合いたくない感じでしたが(笑)。