山崎マキコ著「ちょっと変わった守護天使」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
不倫相手とのゴタゴタで閑職に飛ばされた元バイヤー・本宮つぐみは、ひょんなことから年下で二次元オタクの草食男子・桜井と同棲することになる。憧れの元恋人から結婚を申し込まれつつも、桜井と「そこにいるだけで良い」と肯定し合える関係を築いたつぐみは、自分たちがそれぞれ望むままに生きていくことを選ぶ。

ちょっと変わったタイトルに惹かれて手に取ってみたら、一風変わった表紙だったので、オカルト系かと思いました。実際は、文庫で200ページという文章量と、サクサクとした読書感で、疲れている時でも楽しめるハッピーエンドのファンタジック恋愛小説でした。

仕事に全力だった三十代の女性つぐみと、三次元に興味がないオタクの桜井というカップル設定が、一番惹き込まれた点です。
私の場合、仕事人間で過密スケジュール大好きだけれど、オフではオタク趣味に生きていたり、蓄財は好きだけれどパッと外食に使うのも躊躇わなかったり、自炊の食材には拘るけれど面倒なときは栄養補給さえできていれば良いと思っていたり、と二人の意見がわかるので、「あるある」と思いながら読めました。

桜井はオタクにしては社交的過ぎて、純真で、絵にかいたような理想的な彼氏です。リアリティはないけれど、オタクを良い男として描いているのは珍しいし、なんとなく嬉しいですね。

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