成田名璃子著「東京すみっこごはん」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
幼い頃に母を亡くし、母の味を知らずに育った楓は、ふとした切っ掛けから、「すみっこごはん」という店に通うことになる。その店は、集まった人がレシピノートに従って家庭料理を作るという不思議な形態で運営されていた。やがて、レシピノートが「娘に母の味を残したい」と願った楓の母親によって作られたものだったことが分かり、楓は母の味を継承していたことを知る。

短編構成。
最初にある楓の苛めエピソードは最終的な着地点が物足りなくて、せっかくのお料理小説なのに消化不良感を感じましたが、以降のエピソードはなかなか面白かったです。
特に最後のエピソード「アラ還おやじのパスタ」は、色々やられた感がありました。「すみっこごはん」という場所に関する謎が解消され、きちんと一冊で完結しているのも良かったです。

もちろん、調理から食事シーンまでも力が入っています。ちゃんと自分で出汁をとった料理を作りたくなりました。
また、料理下手なOL奈央のダメ料理も、読んでいる分には被害がないので楽しめるのが、読書のいい点です。

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