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新橋演舞場にて、松竹系「ガラスの仮面 ~惹かれあう魂~」16:30回を観劇。
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/schedule/2016/9/9_1.php

原作は既読。今回の公演内容である「ふたりの王女」のエピソード(冬の星座)は、原作でも特に好きな箇所なので、果たしてどんな舞台になるか期待と不安が半々という感じでした。

劇後の感想としては……正直、脚本には残念な印象を抱きました。
尺や、舞台上で再現が可能かどうかで取捨選択があるのは当然ですが、エピソード切り貼りが下手だと思います。
見たいシーンはほぼ入っていたのですが、私としては、話の焦点を「ふたりの王女」に絞って欲しかったのです。しかし本作では、舞台「ふたりの王女」の稽古・上演の期間中に、次の舞台「忘れられた荒野」で起こるエピソードまで詰め込んでしまったので、いささか中途半端に感じました。
ユリジェス役が桜小路くんなのはともかく、黒岩先生の存在消失、月影先生は皇太后役を降板、日帝劇場の初日観客が一人に、極め付けは、アルディス役で北川マヤが最優秀演技賞(同時に姫川亜弓はオリゲルド役で主演女優賞)を取ってしまうことなど、切り貼りのせいでチグハグな展開です。共演した舞台で一方の役者が最優秀演技賞を取ったなら、もう優劣は決着したように思うのですが……。
とにかく早い展開であれこれ詰め込んで、テーマが見えませんでした。

一方、役者は、総じてキャラを不自然でない態で再現していて良かったです。
マヤ@貫地谷しほりは、説得力のあるマヤでした。アルディスの演説シーン前後が少しイメージ違いでしたが、その他のシーンは納得しました。母親の死の回想は泣けました。
月影先生@一路真輝は、実際に動いている姿を見るとイメージ通りの先生で、若かりし頃は大女優という設定も納得。ウェストの細さも、漫画の月影先生のシルエット通り。途中、過去回想もあったので、影の主役かと思うほどの活躍でした。
亜弓@マイコは、劇中劇のオリゲルドが素晴らしい熱演で惹き込まれました。姫川亜弓としては、もう少しお嬢様らしい超越感と華が欲しかったけれど、それこそマヤレベルの演技力じゃないと難しいですよね。

真澄@小西遼生は、だいぶ若造に感じたけれど、元々真澄が若い男性だということを思い出させられて、逆に原作に対する解釈が変わりました。
桜小路@浜中文一は、滑舌が悪く棒読み気味だったのですが、桜小路くんらしい雰囲気はあったので良いかな。

その他、固定でない役も髪型や雰囲気等、なかなか原作に似せていて「あの人ね」と頷けました。
一人だけ、水城秘書@東風万智子がヒステリックな女史で、有能感がないのは残念でした。特に最序盤の怒濤の「過去説明」をこなす都合上、口調が攻撃的なのは辛かったです。

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