高峰秀子著「まいまいつぶろ」

女優・高峰秀子の生い立ちから結婚までの半生を綴ったエッセイ。
正直、語りたいテーマが見えないと思いました。そもそも、自分の意志で書いているわけでない雰囲気も垣間見えます。独特の語り口調や表現、スパッと盛り込まれる鮮やかな意思など、冴え冴えとした部分もあるのですが、根本的に本人が書きたいものを書いているように感じられず、私にはピンと来ない本でした。

しかし、養女・斎藤明美の解説「“高峰随筆”の原点」で、本書の読みかたがわかった気がします。
本当は義母との確執や女優生活への嫌悪があるのに、本書ではそれを上手にボカして綴っているのですね。そんなところに着目すると、なるほど女優だなと思わされました。

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