男性主人公のお仕事小説2冊。

新野剛志著「あぽやん」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
旅行代理店では閑職とされる空港勤務「あぽやん」になった遠藤慶太は、本社に戻りたい焦りと仕事への不満で腐っていた。しかし先輩社員たちの「お客様を笑顔で出発させる」信念に触れ、空港でのトラブルを処理する内に、一人のあぽやんとして成長していく。

空港という、非日常の世界のお仕事小説ということで、バッグヤードは面白かったです。
けれど、主人公は最初のうち、異動直後のぺーぺーなのに偉そうなのでイライラしました。先輩たちの方も情報の出しかたが悪く、一概に主人公が悪いと言い切れないところはありますし、偉そうなところが改められていく展開なので、難しいところだと思いますが。
恋が成就しないという結末は、少し意表をつかれたし、登場人物に主人公と影響し合わない別の人生があるところが良かったです。

大崎梢著「プリティが多すぎる」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
26歳、文芸志望の男性社員・新見佳孝は、女子中学生向けファッション雑誌の担当に異動してしまった。自分の美意識と合わない誌面作りにやる気も起きず、次の異動まで無難に過ごそうと思うも、畑違いから意外な失敗を繰り返す。その度に関係者や読者モデルたちのプロ意識に触れ、例え興味のない仕事でも全力を尽くして楽しむ姿勢を獲得する。

こちらの主人公もやる気がないタイプですが、文芸志望者が女子中学生向け雑誌では、さすがに畑違い過ぎて致し方ないかな、と共感できる導入です。失敗もかなりのレベルですが、読者モデル「ピピモ」たちを、佳孝が一人前の「職業人」として認めていくのは、なかなか偉いものだと思えました。
雑誌「ピピン」のキャッチコピー「プリティ、ポップ、ピュア、ピピン。女の子はPが好き」がキャッチーで気に入ったので、このコピーが終盤効果的に使われるのも良かったです。

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