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宝塚星組「桜華に舞え -SAMURAI The FINAL-」「ロマンス!!」18:30回(e+貸切)。
時間が遅いので、ザックリとした感想になります。

芝居もショーも、トップスター北翔海莉の門出と、次期・紅ゆずるへの引き継ぎを意識させる、退団公演らしい作りでした。
ただ、トップ娘役の妃海風も同時退団なのに、控え目な使われかたでもったいなかったです。同時退団の専科・美城れんへの配慮は両作品ともされていただけに、目につきました。それとも、月組「Forever LOVE!!」がそうだったように、退団時は相手役より同級生との絆を重視するのが、最近のトレンドなのでしょうか……。

グランステージ「桜華に舞え -SAMURAI The FINAL-」

芝居は、斎藤先生らしい詰め込み気味のエピソードが生む濃密さと、男の美学がぶつかり合う泣き要素で、熱かったです。

ただ、9割近い登場人物が喋る「かごんま弁」の台詞が聞き取りにくく、理解の妨げになっていたと思います。イントネーションだけでなく、言葉自体も意味不明な箇所があったので、二度以上観ればわかるということもなさそう。役を演じるジェンヌの努力は素晴らしいのですが、その努力をさせる必要があったのか疑問です。
物語の掴みで、時間軸が行ったり来たりするのも、やや不満。何度か書いているとおり、私は宝塚歌劇は大衆演劇だと思っているので、「わかりやすさ」への配慮は欠かして欲しくないのです。

とはいえ、珍しく面白いオリジナル退団作品だったのは間違いありません。
役がたくさんあるのに、私は星組生をまったく個別認識できないので、誰がどうだったと語れないのが申し訳ない感じです。

ロマンチック・レビュー「ロマンス!!(Romance)」

なにを置いても語っておきたいのが、「GO!」の掛け声で扉を超える第六章「友情」。さすが、謝玉栄先生の振り付けです。
ショーは、意外とダンス寄りの構成で、歌が物足りない気もしましたが、その気持ちがここで完全に払拭されました。

私が日頃好んでいる藤井先生や稲葉先生の作風と、岡田先生のロマンチックレビューは真逆の雰囲気ですが、宝塚の王道という印象があるためか、そんなに嫌いではありません。「初恋」のダンスで語る一場などは、古きよきクラシカルな美しさを感じました。
でも、盆もセリも使わず、場面転換はすべて暗転という演出に、全国ツアー公演で再演することを前提にしているのか、と穿ってしまいます。もう少し演出して欲しいな。

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