お仕事小説アンソロジー「エール!」1巻

働く女性を描いた、書き下ろし短編集。
作家陣とお仕事内容は、下記の通り。

  • 大崎梢「ウェイクアップ」(漫画家)
  • 平山瑞穂「六畳ひと間のLA」(通信講座講師)
  • 青井夏海「金環日食を見よう」(プラネタリウム解説員)
  • 小路幸也「イッツ・ア・スモール・ワールド」(ディスプレイデザイナー)
  • 碧野圭「わずか四分間の輝き」(スポーツライター)
  • 近藤史恵「終わった恋とジェット・ラグ」(ツアーコンダクター)

アンソロジーの良い面がぎゅっと詰まった一冊。
お仕事小説の名手が揃っていることもあり、どの作品も一定以上の水準を保っています。また、全体的に他の作品と軽く繋がっていることもあって、そんな部分でもニコっとしながら読めました。賃金体系や独自の要素等、どの仕事についても知らないことが多く興味深く読みましたが、「金環日食を見よう」は、お仕事小説としては少し物足りなかったかな。プラネタリウムに人を呼ぶ企画の方に重点が置かれている都合上、仕事内容の語りが少なく感じました。
自分の好みとして苦手だったのは、面倒な登場人物が出てくる上、少し哀しい結末の「六畳ひと間のLA」。逆に気に入ったのは、大事件の起きない「イッツ・ア・スモール・ワールド」と「終わった恋とジェット・ラグ」でした。

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