宮藤官九郎著「きみは白鳥の死体を踏んだことがあるか(下駄で)」

小説ともエッセイとも言い切れない、不思議な作品。
全体的に下ネタ満載です。それが田舎の男子高校生の事実かも知れないし、「大人計画」らしいとも言えるけれど、私は度が過ぎた下ネタは苦手なので、反応に困りながら読みました。
でも最後の9章は、ちょっと爽快でした。作中、「この章は本来不要だけどおまけで書き足しました」とでも言いたそうな作者の断りがありましたが、それはかつての武勇伝を語るテレだった気がします。
お話の構成としても、作者の語りが途中途中あり過ぎて、読み難いと感じました。が、これも小説を書いている自分にテレて、こういう形になったのかも知れませんね。

解説は石田衣良先生。本作を多いに褒めて

「宮藤さんの場合、最後の描写力以外は文句なしだった」

と語っています。それに対して私は、描写力を重要視する読者なのかも知れないなぁ……と思いました。

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